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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)10

事件名

 公金支出差止め請求事件

裁判年月日

 平成21年1月22日

裁判所名

 大津地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 滋賀県特別職の職員の給与等に関する条例による県の労働委員会,収用委員会及び選挙管理委員会の各委員に対する月額報酬の支給が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,前記月額報酬の支出の差止めを県知事に求める請求が,認容された事例

裁判要旨

 滋賀県特別職の職員の給与等に関する条例による県の労働委員会,収用委員会及び選挙管理委員会の各委員に対する月額報酬の支給が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,前記月額報酬の支出の差止めを県知事に求める請求につき,地方自治法203条の2第2項が普通地方公共団体の職員に対する給与のうち,非常勤の職員に対する報酬について,議会の議員及び常勤の職員とは異なり,勤務日数に応じて支給することとし,条例で特別の定めをした場合は,この限りでないとして,例外を認めている趣旨は,非常勤の職員に対する報酬は生活給としての意味を全く有さず,純粋に勤務実績に対する反対給付としての性格のみを有することから,原則として,勤務日数に応じてこれを支給すべきものとし,例外として,それぞれの地方公共団体の実情として,勤務実態が常勤の職員と異ならず,月額あるいは年額で報酬を支給することが相当とされる職員がいるなど,特別な事情がある場合には条例で特別の定めをすることにより勤務日数によらないで報酬を支給することを可能としたものと解されるとした上,選挙管理委員会,労働委員会及び収用委員会の各委員については,これらの委員が法律上明文の規定をもって非常勤とされている以上,前記のような例外的な取扱いは,その勤務実態が常勤の職員と異ならないといえる場合に限られるところ,前記各委員らの勤務実態は到底常勤の職員と異ならないとはいえないから,前記各委員らに対し,勤務日数によらないで月額報酬を支給することとした前記条例は,同法203条の2第2項の趣旨に反するものであってその効力を有しないものといわざるを得ず,前記支出は同法204条の2の規定に反し違法であるとして,前記請求を認容した事例

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