裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成20(行コ)295
- 事件名
行政処分取消請求控訴事件(原審・さいたま地方裁判所平成19年(行ウ)第29号)
- 裁判年月日
平成21年6月18日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
市が施行した土地区画整理事業に係る換地処分のうち,固定資産税課税標準額(ただし,地方税法(平成18年法律第7号による改正前。以下同じ。)349条の3の2に規定する住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例が適用されたもの)に基づき算定された清算金額の取消しを求める請求が,認容された事例
- 裁判要旨
市が施行した土地区画整理事業に係る換地処分のうち,固定資産税課税標準額(ただし,地方税法(平成18年法律第7号による改正前。以下同じ。)349条の3の2に規定する住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例が適用されたもの)に基づき算定された清算金額の取消しを求める請求につき,土地区画整理法94条に規定する清算金の算定は土地の適正な評価額を基準として行うべきものとされていることは明らかであるところ,施行地域内の広大な面積に及ぶ多数の従前地及び換地の双方につき同一時点における公平かつ迅速な評価をすることが要請される土地区画整理事業の特質にかんがみれば,一般に,換地処分の際の清算金の算定に当たってその評価につき固定資産税課税標準額を用いることは,許容され得るものと解されるが,それは固定資産税課税標準額が原則として適正な時価である価格をいうとされているためであるから,具体的な固定資産税課税標準額が当該固定資産の適正な評価額を表していないことが明らかである場合において,当該固定資産税課税標準額を用いることが許されないことは前記清算金制度の趣旨に照らして自明であるとした上,地方税法349条の3の2に規定する住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例は,住宅用地について,住宅政策上の観点から税負担の軽減を図る趣旨で設けられたもので,当該住宅用地に係る課税標準額を機械的に3分の1に減ずる手法を採用するものであるから,同特例が適用された固定資産税課税標準額は,当該住宅用地の評価額を意味するものではなく,前記清算金の算定は土地区画整理法94条に違反するものであることは明らかであるとして,前記請求を認容した事例
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