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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行コ)113

事件名

 損害賠償(住民訴訟)請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成20年(行ウ)第25号)

裁判年月日

 平成21年7月22日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 都営住宅の入居者で組織する団地自治会及び自主管理委員会が,事業主体である東京都の許可を受けることなく前記都営住宅の敷地内に駐車場を設けて入居者に自動車を駐車させ,会費名目で金員を徴収したことなどにより前記自治体に不当利得が生じたとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記自治会に不当利得の請求をすることを都知事に対して求める請求が,認容された事例

裁判要旨

 都営住宅の入居者で組織する団地自治会及び自主管理委員会が,事業主体である東京都の許可を受けることなく同都営住宅の敷地内に駐車場を設けて入居者に自動車を駐車させ,会費名目で金員を徴収したことなどにより前記自治体に不当利得が生じたとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記自治会に不当利得の請求をすることを都知事に対して求める請求につき,東京都は,都営住宅の入居者で組織する自治会に対し,自主的に敷地内の駐車秩序の維持及び共同施設の管理運営についての秩序維持を行うことを許しているところ,前記都営住宅の入居者で組織する団地自治会は,前記自主管理委員会が東京都又は東京都知事の許可を得ることなく前記都営住宅の共用部分を自家用車の駐車場として占有及び使用させていることを知りながら,東京都から許された管理の趣旨に反してこれを容認することによって,前記自主管理委員会から個々の会員の会費の全部又は一部を助成金名目で受領しており,前記自治体が自家用車の駐車に関わっていないことからすると,東京都は前記自治会に対して不当利得返還請求権を有しており,また,前記不当利得返還請求権は,その債権金額が少額とはいえず,前記自治体は,団地の敷地内の空き地を入居者が駐車場として占有し使用することの対価の性質を有する金員を受領していたことなどからすると,東京都知事に前記不当利得返還請求権を行使させることが不適当であるとはいえず,地方自治法施行令171条の5第3項の適用はないとして,前記請求を認容した事例

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