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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行ウ)7

事件名

 筆界特定違法確認等請求事件

裁判年月日

 平成21年3月23日

裁判所名

 金沢地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 筆界特定登記官がした所有する土地とこれに隣接する土地との筆界特定が誤っているとして,土地の所有者がその違法の確認を求めるとともに,同人が主張するとおりの筆界を特定し,その写しを同人に送付するよう求めた各請求が,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例不動産登記法125条に基づき筆界特定登記官が行う筆界の特定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない

裁判要旨

 不動産登記法125条に基づき筆界特定登記官が行う筆界の特定につき,同法は,不服を申し立てる手続の定めはなく,同法148条は,筆界特定がされた場合において,当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは,当該筆界特定は,当該判決と抵触する範囲において,その効力を失うと定められており,筆界につき裁判で争う場合には筆界確定訴訟によるべきであるというのが法の建前といえること,また,筆界は,表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において,当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれを結ぶ直線であり(同法123条1号),土地の所有権の範囲を画するものではなく,筆界特定は当該一筆の土地の所有者又はその隣接土地の所有者の所有権に変動を与えるものではないことからすると,筆界特定登記官による筆界特定は個人の権利ないし法律上の利益に直接の影響を及ぼす法的効果を有するものであるとは認められないから,行政庁による公権力の行使とはいえず,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない

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