裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行コ)37

事件名

 建築許可差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成19年(行ウ)第585号)

裁判年月日

 平成21年9月16日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 東京都が都市計画法53条1項に基づいてした建築許可処分の取消しを求める訴えにつき,当該建物が建築される都市計画施設につき,都市計画事業が施行されて都市公園になったときに当該公園を避難場所として利用する蓋然性が客観的に高いと認められる周辺住民らの原告適格が,肯定された事例

裁判要旨

 東京都が都市計画法53条1項に基づいてした都市計画施設の区域内における建築許可処分の取消しを求める訴えにつき,都市計画法53条1項の規定の趣旨及び目的,関係法令である都市公園法1条,2条1項1号及び3条1項,同法施行令2条1項並びに東京都震災対策条例(平成12年東京都条例第202号)の趣旨及び目的,都市計画法が同法53条の許可の制度を通じて保護しようとしている利益の内容及び性質等を考慮すれば,同条1項の規定は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るなどの公益的見地から都市計画事業の円滑な施行の確保を図るとともに,当該都市計画施設に係る防災,避難等に関する機能が確保された都市計画事業の円滑な施行が阻害されることによって,災害時に拡大する火災等によって生命又は身体に著しい被害を受けるおそれのある個々の住民に対して,そのような被害から免れるという利益を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当であるところ,当該都市計画施設につき都市計画事業が施行されて都市公園になったときは当該公園を避難場所として利用する蓋然性が客観的に高いと認められる住民らは,都市計画事業の支障及び遅滞により前記著しい被害を受けるおそれのある者に当たるから,都市計画施設に係る同法53条に基づく許可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するとして,前記住民らの原告適格を肯定した事例

全文