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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行コ)108

事件名

 α・β違法土地売却の損害賠償等,P9高校跡地違法売却にかかる損害賠償各請求控訴事件(原審・神戸地方裁判所平成18年(行ウ)第45号等)

裁判年月日

 平成21年12月24日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 市が,随意契約の一形態であるいわゆる総合評価方式により市の所有する高校跡地を売却したことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,市長個人に損害賠償の請求をすることを市長に対して求める請求が,棄却された事例

裁判要旨

 市が,随意契約の一形態であるいわゆる総合評価方式により市の所有する高校跡地を売却したことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,市長個人に損害賠償の請求をすることを市長に対して求める請求につき,前記高校跡地の売却は,これを単に土地の売却として見る限り,一般競争入札によることが不可能又は困難とはいえないが,同土地は,地域の主要な交通結節点である駅の北側に位置する広大な土地であり,同土地を含む付近一帯は商業ゾーンとして整備するように努めることとされており,地域や市民に与える影響が極めて大きく,地域内の土地利用及び公共施設の配置と建築物の形態等について一体的,総合的な計画を策定する必要があるから,市は,価格の有利性をある程度犠牲にしてでも,まちづくりにとって望ましい土地利用の方法を提案した事業者を売却先として選定することが必要であると判断したものと解され,その判断には合理性があり,また,土地の利用方法を市が示す指針及び条件の枠内で民間事業者の創意工夫と事業能力に委ねてより有効な土地利用方法を実現するとともに可及的に高額での売却を目指す方法として,買受希望者が提示した買受け後の土地利用方法の内容及び買受価格を総合的に採点評価し,総合評価の点数が最も高かった事業者を売却先に決定するという前記方式は,契約の性質又はその目的を究極的に達成する上でより妥当であり,ひいては市の利益の増進につながるといい得るから,前記土地の売却は,同法施行令167条の2第1項2号にいう「その性質又は目的が競争入札に適しない」ものに当たり,これを前記方式による随意契約によって行ったことは適法であるとして,前記請求を棄却した事例

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