裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ウ)420

事件名

 文書非公開処分取消請求事件

裁判年月日

 平成22年1月13日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 独立行政法人が保有する別件訴訟の準備書面等に顕出された弁護士の印影が,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に該当するとされた事例
2 独立行政法人が保有する別件訴訟の準備書面等に記載された訴訟当事者の氏名が,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条1号イ所定の例外的開示情報(公にされている情報等)に該当しないとされた事例

裁判要旨

 1 独立行政法人が保有する別件訴訟の準備書面等に顕出された弁護士の印影につき,弁護士の職印により顕出された印影は,文書が当該弁護士によりその職務上真正に作成されたことを認証する意義を有するなど契約書の作成等に用いられる印章により顕出される印影に類する社会生活上の重要性を有するから,前記印影が広く開示されると,同印影を用いて文書の偽造がされることなどによって,当該弁護士の権利ないし正当な利益が害される相当の蓋然性があるとして,前記印影は,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に該当するとした事例
2 独立行政法人が保有する別件訴訟の準備書面等に記載された訴訟当事者の氏名につき,口頭弁論期日等が実施される際に,訴訟事件における原告の氏名等が記載されたいわゆる開廷表等が裁判所の庁舎内に表示されるものの,表示される期間は当該事件の口頭弁論期日等が実施される当日又はその直前直後の執務日に限られていること,前記別件訴訟の原告の氏名等が同訴訟が提起された当時の新聞記事に掲載され,当該新聞記事を図書館等で閲覧することができるとしても,同訴訟が完結してから5年半が経過していることなどからすれば,不開示決定がされた当時において前記訴訟当事者の氏名が公にされる慣行ないし慣習が存在していたと認めることはできないとして,前記訴訟当事者の氏名は,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律5条1号イ所定の例外的開示情報(公にされている情報等)に該当しないとした事例

全文