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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ウ)602

事件名

 損害賠償(住民訴訟)請求事件

裁判年月日

 平成22年5月7日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 区長が衆議院議員候補者の選挙事務所及び同候補者の街頭演説実施場所に赴く際に公用車を使用したことは違法であるから,区は区長個人及び前記公用車の管理者である区総務部総務課長に対し前記公用車の使用に関して支出した運転手の給与相当額の損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を怠っているとして,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,区長個人及び前記区総務部総務課長に損害賠償の請求をすることを区長に対して求める請求が,棄却された事例

裁判要旨

 区長が衆議院議員候補者の選挙事務所及び同候補者の街頭演説実施場所に赴く際に公用車を使用したことは違法であるから,区は区長個人及び前記公用車の管理者である区総務部総務課長に対し前記公用車の使用に関して支出した運転手の給与相当額の損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を怠っているとして,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,区長個人及び前記区総務部総務課長に損害賠償の請求をすることを区長に対して求める請求につき,区長が同区を選挙区とする衆議院議員候補者の選挙事務所を訪問したり,その街頭演説の際に選挙カーの壇上に上がり同候補者を支持し,又は激励する内容を含む演説を行うことは,地元選出の国会議員との間に良好な関係を築き,区政の円滑な運営や維持発展を期するものであるということができることからすると,区長による前記選挙事務所への訪問等は,地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を果たすため相手方との友好,信頼関係の維持増進を図ることを目的とするものであり,かつ,社会通念上儀礼の範囲を逸脱するものではないから,同区の事務に含まれるというべきであり,前記公用車使用は,公用車を公務に使用したものであって適法であるとして,前記請求を棄却した事例

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