裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成22(行コ)4
- 事件名
財産管理を怠る事実の違法確認請求控訴事件(原審・札幌地方裁判所平成16年(行ウ)第8号)
- 裁判年月日
平成22年12月6日
- 裁判所名
札幌高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
市がその所有する土地を神社施設の敷地として無償で使用させていることは,憲法の定める政教分離原則に違反する行為であって,敷地の使用貸借契約を解除し同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づいてされた前記怠る事実の違法確認請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
市がその所有する土地を神社施設の敷地として無償で使用させていることは,憲法の定める政教分離原則に違反する行為であって,敷地の使用貸借契約を解除し同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づいてされた前記怠る事実の違法確認請求につき,市長が提案する,前記土地上の建物の外壁の「神社」の表示を撤去し,前記土地上の地神宮の「地神宮」との表示を「開拓記念碑」へと彫り直し,前記建物内に存在する祠を同建物から取り出して鳥居の付近に設置するとともに,前記土地のうち同祠及び同鳥居の敷地部分を市が氏子集団に賃貸するという手段は,市が前記土地を前記神社施設のために無償で提供していることの違憲性を解消する手段として合理的で現実的なものであるということができ,かかる手段を市長が提案している以上,市長において前記神社施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことを,市長の財産管理上の裁量権を逸脱又は濫用するものと評価することはできないとして,前記請求を棄却した事例
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