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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行ウ)234

事件名

 公文書部分公開決定処分取消請求事件

裁判年月日

 平成22年6月18日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 文部科学省が全国の小学校6年生及び中学校3年生を対象にして行った各全国学力,学習状況調査実施概況に記載された調査結果のうち学校別の平均正答数及び平均正答率に係る各情報が,大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号)8条1項4号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとされた事例

裁判要旨

 文部科学省が全国の小学校6年生及び中学校3年生を対象にして行った各全国学力,学習状況調査実施概況に記載された調査結果のうち学校別の平均正答数及び平均正答率に係る各情報につき,各都道府県教育委員会及び市町村教育委員会は,その設置する学校が自ら自校の結果を公表しない限り,域内の学校を含めて前記調査結果を個々の学校名を明らかにして公にされることがないという前提で前記調査に参加しているのであり,参加主体のいずれかにおいてその域内の学校の状況について個々の学校名を明らかにした前記調査結果を公表するなどして後になってこの前提が覆されることは,文部科学省が前記調査に関して定めた実施要領を前提に前記調査に参加している各参加主体に少なからず混乱を引き起こすおそれがあり,ひいては,全国学力調査ないし当該調査に係る国の施策そのものに対する各参加主体の信頼を損ない,将来,全国学力調査において,多くの市町村教育委員会等の協力が得られなくなるおそれがあるほか,学校間の序列化や過度な競争の結果として前記調査の結果に児童生徒の学力,学習状況が正確に反映されない事態が生ずるおそれがあり,これらのおそれは一般的,抽象的な可能性や危惧感にとどまらず,十分に根拠のあるものであって,そのような事態に陥れば,国は,前記調査を通じて,全国の児童生徒の学力,学習状況等を漏れなく,かつ,正確に把握することができなくなり,その結果,児童生徒の学力,学習状況の分析に基づいて教育及び教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図ることが不可能ないし著しく困難となるなど,前記調査の目的の達成に支障が生ずるにとどまらず,同調査を実施する意義そのものを没却することにもなりかねないなどとして,前記各情報は,いずれも大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号)8条1項4号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとした事例

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