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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)45

事件名

 政務調査費違法使用分返還請求事件

裁判年月日

 平成22年6月9日

裁判所名

 横浜地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市議会の会派が市から交付を受けた政務調査費の一部を広報費として使用したのは違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記会派に不当利得返還の請求をすることを市長に対して求める請求が,一部認容された事例

裁判要旨

 市議会の会派が市から交付を受けた政務調査費の一部を広報費として使用したのは違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記会派に不当利得返還の請求をすることを市長に対して求める請求につき,横浜市会政務調査費の交付に関する条例(平成13年横浜市条例第3号。平成20年横浜市条例第20号による改正前)に規定する政務調査費の使途基準は,広報費の内容について,「各会派において議会活動,市政に関する政策等を市民に周知させるための広報活動を行うために要する経費(広報紙,報告書等印刷費,送料,会場費等)」と定めているから,当該広報活動は,「各会派において(略)行う」ことを要すると解されるところ,このような「各会派において(略)行う」広報活動には,会派がその名において自ら行うもののほか,会派の所属議員等にこれをゆだね,又は所属議員による広報活動を会派のためのものとして承認する方法によって行うものも含まれるものと解すべきであり,一般に,会派は,議会の内部において議員により組織される団体であり,その内部的な意思決定手続等に関する特別の取決めがされていない限り,会派の代表者が会派の名においてした行為は,会派が自らした行為と評価されるとした上,前記会派においては,政務調査費を所属する各議員に交付し,各議員による支出のうち代表者の了承したものについて前記会派の政務調査費として整理されることになっており,その了承に係る内部的な意思決定手続等に関して特別の取決めがされていたような事情はうかがわれず,前記会派において内部的に決定された正規の政務調査費支出の手続に即して会派の名において行われたものということができ,前記広報費の支出は,前記使途基準にいう「各会派において(略)行う」との要件を満たすものということができるが,前記会派において政務調査費収支報告書の広報費の欄に計上した支出額及び同報告書に計上されていない支出額の各一部に前記使途基準に合致しない支出があるとして,前記請求を一部認容した事例

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