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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ウ)120

事件名

 文書不開示決定処分取消等

裁判年月日

 平成22年4月9日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(昭和47年条約第2号)の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して上記協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないままに行う旨の合意があったとして,外務大臣及び財務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律4条1項に基づき,前記合意を示す行政文書及びそれに関連する行政文書の開示請求をしたところ,外務大臣及び財務大臣から,いずれの行政文書についても保有していないことを理由とする各不開示決定を受けたため,開示請求者がした前記各不開示決定の取消し及び前記各行政文書の開示決定の義務付けを求めた請求が,いずれも認容された事例
2 「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(昭和47年条約第2号)の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して上記協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないままに行う旨の合意があったとして,外務大臣及び財務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律4条1項に基づき,前記合意を示す行政文書及びそれに関連する行政文書の開示請求をしたところ,外務大臣及び財務大臣から,いずれの行政文書についても保有していないことを理由とする各不開示決定を受けたため,国家賠償法1条1項に基づき,前記各不開示決定によって精神的損害を被ったと主張して,開示請求者がした慰謝料支払請求が認容された事例

裁判要旨

 1 「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(昭和47年条約第2号)の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して上記協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないままに行う旨の合意があったとして,外務大臣及び財務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律4条1項に基づき,前記合意を示す行政文書及びそれに関連する行政文書の開示請求をしたところ,外務大臣及び財務大臣から,いずれの行政文書についても保有していないことを理由とする各不開示決定を受けたため,開示請求者がした前記各不開示決定の取消し及び前記各行政文書の開示決定の義務付けを求めた請求につき,外務省及び財務省は,前記各行政文書をそれらの作成当時保有するに至ったことが認められ,前記各不開示決定の時までに前記各行政文書が廃棄,移管等されたことによってそれらの保有が失われた事実は認められないから,外務省及び財務省は前記各不開示決定時点において前記各行政文書を保有していたと推認され,それらを保有していないことを理由としてされた前記各不開示決定はいずれも違法であるなどとして,前記各請求をいずれも認容した事例
2 「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(昭和47年条約第2号)の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して上記協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないままに行う旨の合意があったとして,外務大臣及び財務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律4条1項に基づき,前記合意を示す行政文書及びそれに関連する行政文書の開示請求をしたところ,外務大臣及び財務大臣から,いずれの行政文書についても保有していないことを理由とする各不開示決定を受けたため,国家賠償法1条1項に基づき,前記各不開示決定によって精神的損害を被ったと主張して,開示請求者がした慰謝料支払請求につき,外務省において行われた検討の内容は,前記各行政文書の一部について存在しなかったという別件における調査結果を前提として,同調査の対象及び方法について当時の担当官等に確認したというだけであり,外務大臣は,上記不開示決定を行うに当たって,公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と不存在という判断を行ったと認めることができるから,上記不開示決定に係る外務大臣の行為には,国家賠償法1条1項にいう違法があったなどとして,前記請求を認容した事例

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