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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ウ)247

事件名

 損害賠償(住民訴訟)請求事件

裁判年月日

 平成22年7月13日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 区が,区議会議員選挙における選挙運動のために使用する自動車の使用に係る費用につき,自動車の借入先のレンタカー業者に対し,公職選挙法141条8項等に基づく公費負担の対象外の費用相当額を含めて支払を行ったことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記業者に不当利得返還の請求をすることを区長に対して求める請求が,一部認容された事例

裁判要旨

 区が,区議会議員選挙における選挙運動のために使用する自動車の使用に係る費用につき,自動車の借入先のレンタカー業者に対し,公職選挙法141条8項等に基づく公費負担の対象外の費用相当額を含めて支払を行ったことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記業者に不当利得返還の請求をすることを口調に対して求める請求につき,同項等に基づく選挙運動のために使用される自動車に係る公費負担制度の対象は,当該自動車の使用料及びレンタカー業者と一般の顧客との間における自動車借入契約における「基本料金」に含まれる水準の保険,補償制度への加入料に相当する金額であり,加入費用や選挙運動用自動車に看板等を取り付けるための費用等はこれに含まれないとした上で,制度に関する規定の文言や内容に照らせば,同制度の適用を受ける前提として,当該自動車の借入契約において,公費負担の対象となる費用に関する契約金額と,その対象とならない費用に関する契約金額とを明確に区別して約定することが求められていることが明らかというべきであって,同制度の下で区が選挙運動用自動車の借入契約につき適法に支払をすることができるのは,同制度に基づく公費負担の対象となるものに含まれると明確に認められる金額のみであると解するのが相当であるところ,前記業者と候補者との借入契約における契約金額は,同制度に基づく公費負担の対象となるべき選挙運動用自動車の使用料等と,その対象外である金額とが混然一体として定められたものであって,契約上,これらの内訳を特定することができないものであるから,区が当該借入契約における契約金額相当額につき,同制度に基づく公費負担として支払をすることは違法であり,区は,当該契約金額相当額につき,前記業者に対する不当利得返還請求権を有しているとして,前記請求を一部認容した事例

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