裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成21(行ウ)104
- 事件名
事業所税更正処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成23年2月8日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社がした事業所税の申告について,地方税法701条の34第3項21号の定める運送事業供用施設非課税規定の適用が認められない施設に係る床面積を非課税として含めず,課税標準となるべき事業所床面積の合計面積に誤りがあるとしてされた更正処分が適法とされた事例
- 裁判要旨
一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社がした事業所税の申告について,地方税法701条の34第3項21号の定める運送事業供用施設非課税規定の適用が認められない施設に係る床面積を非課税として含めず,課税標準となるべき事業所床面積の合計面積に誤りがあるとしてされた更正処分につき,同規定が,一般貨物自動車運送事業等を経営する者がその本来の事業の用に供する施設で政令で定めるものに係る事業所等において行う事業に対しては,事業所税を課することができない旨を定め,同規定の委任に基づき定められた地方税法施行令56条の37が,上記の施設を事務所以外の施設とする旨を定めている趣旨は,上記のような施設は,都市計画法11条1項の定める都市計画において定めるべき都市施設の一つであり,都市機能を維持し向上していく上で必要なものであって,そのような施設を整備するための財源を確保するため事業所税が課されることとなったことに鑑みれば,そのような施設に係る事業所税については何らかの特別措置を講ずることが相当であり,特に,そのような施設に係る事業のうち,民間企業が行わなければ地方公共団体の責任で行わなければならなくなるようなものや収益性の極めて薄いもの等についてまで事業所税を課することは,適当ではないと判断されたところによるものと解され,その趣旨と運送事業供用施設非課税規定の文言等に鑑みれば,一般貨物自動車運送事業を経営する者が事業の用に供する施設であっても,その本来の事業である,他人の需要に応じ,有償で,自動車を使用して貨物を運送する事業であって,特定貨物自動車運送事業以外のもの以外の事業の用に供する施設については,運送事業供用施設非課税規定の適用はないものというべきであるところ,前記会社は,自らにおいて一般貨物自動車運送事業の本来の事業である有償で自動車を使用して貨物を運送することは特定の場合に限定し,貨物の運送については主として他社便を利用する一方,顧客の需要に応じ運送とは別に対価を受けて,物品の選別や梱包のほか,その保管その他の在庫管理を行い,更にそれらのコンサルティングをも加えて,これらのいわば統括的な販促物等の物流サービスを行っていたのであり,この事業の用に供されていた部分については,一般貨物自動車運送事業の本来の事業以外の事業の用に供されていたと認められるから,運送事業供用施設非課税規定の適用はないとして,前記更正処分を適法とした事例
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