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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成23(行ス)35

事件名

 仮の義務付申立についてした決定に対する抗告申立事件(原審・和歌山地方裁判所平成22年(行ク)第4号)

裁判年月日

 平成23年11月21日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 障害者自立支援法19条1項,22条1項,4項に基づき市福祉事務所長から重度訪問介護の支給量を1か月当たり268時間とする介護給付費支給決定を受けた者による,重度訪問介護の支給量を1か月651時間とする介護給付費支給決定をすることの仮の義務付けを求める申立てが,却下された事例

裁判要旨

 障害者自立支援法19条1項,22条1項,4項に基づき市福祉事務所長から重度訪問介護の支給量を1か月当たり268時間とする介護給付費支給決定を受けた者による,重度訪問介護の支給量を1か月651時間とする介護給付費支給決定をすることの仮の義務付けを求める申立てにつき,現時点で,前記支給決定による1か月268時間の支給量を超える支給量の決定がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があることまでの疎明はないものといわざるを得ないとするとともに,障害者自立支援法は,障害者について障害福祉サービスを支給するかどうか,支給する場合にいかなる種類の障害福祉サービスをどれだけの支給量をもって支給するかという判断については,勘案事項に係る調査結果を踏まえた市町村の合理的な裁量に委ねているものと解するのが相当であり,市町村がする支給要否決定並びに支給決定をする場合における障害福祉サービスの種類及び支給量の決定は,その判断の基礎となる事実に重大な誤認があり,あるいはその判断内容が社会通念に照らして明らかに合理性を欠くこと等により,その裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用にわたるものと認められるような場合に限って違法となるものというべきであるとした上,前記支給決定が支給量を1か月268時間としたことが,処分行政庁の裁量の範囲を超え,又はその濫用となって違法となり,本案に理由があるとみえることについて,疎明があったとまではいい難いとして,前記申立てを却下した事例

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