裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成24(行コ)55
- 事件名
場外車券発売施設設置許可処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成21年(行ウ)第189号)
- 裁判年月日
平成24年10月11日
- 裁判所名
大阪高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく経済産業大臣による設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において医療施設を開設する者らにつき,前記許可の取消訴訟の原告適格が肯定された事例
2 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく経済産業大臣による設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において医療施設を開設する者らがした,同許可処分の取消しを求める請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく経済産業大臣による設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において医療施設を開設する者らが,前記許可の取消訴訟の原告適格を有するか否かにつき,原告適格の判断は,訴訟の入口の段階の問題にすぎないから,画一的かつ簡明な手法を用いて判断せざるを得ないため,前記の者らが開設する各医療施設と同販売施設とが距離的に近接しているかどうかがまず重視されるべきであるが,単に距離関係のみならず,施設の規模,周辺の交通等の地理的状況等から合理的に予測される来場者の流れや滞留の状況等をも考慮して判断すべきことが要請されるとした上,同場外車券販売施設への予想される来場者数(1日約1700人)との相関から考えると,同各医療施設に通院する患者の往来を妨げ,あるいは,同場外車券販売施設の入場者が同各医療施設付近に流れ,あるいは滞留する可能性があるといえ,同各医療施設は,同場外車券販売施設の設置,運営に伴う著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域にあるとみるのが相当であるとして,前記の者らの原告適格を肯定した事例
2 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく経済産業大臣による設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において医療施設を開設する者らがした,同許可処分の取消しを求める請求につき,同場外車券発売施設の設置,運営により,前記各医療施設で行われる医療業務等に著しい支障が生じるおそれがあると具体的に認めることはできないから,同場外車券発売施設につき自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項1号所定のいわゆる位置基準を満たすものとして同許可処分をした経済産業大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるということはできないとして,前記請求を棄却した事例
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