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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成24(行ウ)195

事件名

 日本国籍不存在確認請求事件

裁判年月日

 平成25年6月19日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 日本人の子として出生届が出されて外形的に日本国籍を取得したものの,その後,その日本人の子ではなかった旨の審判が確定した者がした,日本国籍を有しないことの確認請求につき,確認の利益があるとされた事例

裁判要旨

 日本人の子として出生届が出されて外形的に日本国籍を取得したものの,その後,その日本人の子ではなかった旨の審判が確定した者がした,日本国籍を有しないことの確認請求につき,同人による中国国籍取得の申請に対し,在日中国領事館の担当者が,日本国籍の不存在を証明する公的文書があれば申請を受け付けるが,同公的文書がなければ申請を受け付けないと回答したこと,日本国籍の証明事務については法務省が所管し,法務局又は地方法務局がこれを分掌しているところ,法務局は,これまで日本国籍を有したことのない外国人から日本国籍を有しないことの証明を求められた場合には,日本国籍を有しない旨を調査することが事実上不可能であることを理由として,同証明書を発行しない取扱いをしており,領事館担当者の前記回答を受けて法務局に対して日本国籍を有しないことの証明を求めた際も,同法務局は証明書の発行に応じなかったこと,同領事館担当者は,最終的には,日本国籍を有しないことを確認する旨の判決があれば,これを日本国籍の不存在を証明する公的文書として扱い,中国国籍取得申請を受け付ける旨回答したことに加え,外国国籍の確認の訴えが我が国の裁判権に服さないため,中国国籍を取得するためには中国政府にその取得申請をするよりほかないという状況にあることなどを併せ考慮すれば,国籍関係という公法上の法律的地位に危険・不安定が現存しており,国籍不存在確認の訴えについての判決をすることが,前記危険・不安定を除去する方法として,有効適切というべきであるとして,確認の利益があるとした事例

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