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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成25(行コ)189

事件名

 損害賠償等を求める請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成22年(行ウ)第42号)

裁判年月日

 平成25年8月29日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 鉄道会社に補助金を支出する旨の債務負担行為について元市長がした専決処分は地方自治法(平成24年法律第72号による改正前)179条1項の要件を欠き違法であるからそれに基づく支出も違法であるとして,同法242条の2第1項4号に基づき,元市長に損害賠償請求をすることを市長に対して求める請求が,認容された事例

裁判要旨

 鉄道会社に補助金を支出する旨の債務負担行為について元市長がした専決処分は地方自治法(平成24年法律第72号による改正前)179条1項の要件を欠き違法であるからそれに基づく支出も違法であるとして,同法242条の2第1項4号に基づき,元市長に損害賠償請求をすることを市長に対して求める請求につき,同法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」とは,外的又は内的な何らかの事情により長にとって議会の議決を得ることが社会通念上不可能ないしこれに準ずる程度に困難と認められる場合であるとした上,同鉄道会社に対して運賃値下げ支援補助金を支出する旨の補正予算案について,議会が故意に議決を回避したものではないことはもちろん,議決を怠ったものでもないことに加え,同鉄道会社への補助金交付を目的とする予算について過去2回議会で否決されており,前記専決処分が議会の意思に反する可能性が相当高かったこと,さらに,閉会直後,元市長は一部の議員から臨時議会の招集を求められているところ,前記専決処分を行うまでに臨時議会を招集することも十分可能であったと認められること等を指摘し,議会の内的事情により元市長にとって議会の議決を得ることが社会通念上不可能であったとか,これに準ずる程度に困難であったとすることはできず,同項の「議会が議決すべき事件を議決しない」との事由に当たらないので,前記専決処分は要件を欠き違法であるとして,前記請求を認容した事例

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