裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成26(行コ)99

事件名

 更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成24年(行ウ)第854号)

裁判年月日

 平成26年10月30日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分が適法であるとされた事例

裁判要旨

 相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分につき,国税通則法23条2項1号の文言及び趣旨に鑑みれば,「判決により,その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき」とは,その申告に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実と異なる事実を前提とする法律関係が判決の主文で確定されたとき又はこれと同視できるような場合をいうものと解するのが相当であるところ,前記民事訴訟の請求は不法行為による損害賠償請求及び不当利得返還請求であり,当該判決の主文はこれらの請求をいずれも棄却するというものであって,相続開始当時第三者が当該株式を有していたことその他の相続開始当時当該株式が被相続人に帰属していなかったことを意味する権利状態を判決の主文で確定したと同視できるような場合に該当しないなどとして,前記通知処分を適法とした事例

全文