裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成26(行コ)418
- 事件名
所得税更正請求に対する通知処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第672号)
- 裁判年月日
平成27年3月19日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金が,不動産所得に係る収入金額に該当するとされた事例
- 裁判要旨
東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,不動産所得に係る収入金額に該当する。
(1) 上記一括借上げに係る契約は,東京都都民住宅制度の定める都民住宅供給の仕組みの下において都民住宅を供給するものであるところ,都の利子補給助成制度は,かかる住宅供給を促進するため,当該都民住宅の建設資金借入金の利子補給を行うべく設けられており,上記契約は,以上のような一体としての制度を利用した上で締結されたものであって,上記利子補給助成制度に基づき都から半年ごとに交付される利子補給金は,上記借上げに係る収益構造の中に不可分一体のものとして組み込まれている。
(2) 都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度は,都民住宅建設当時の高い建設費借入金の返済のために住宅経営に苦慮している都民住宅の認定事業者に対し,交付予定の利子補給金を一括交付して,当該借入金より低利の民間金融機関への借換え等を促すものであり,同制度が利用されて住宅金融公庫の融資金が一括繰上償還された場合,それと引替えに利子補給は打ち切られることになる。
- 全文