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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成25(行ウ)78

事件名

 司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求事件

裁判年月日

 平成29年12月20日

裁判所名

 名古屋地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 いわゆる新65期司法修習生であった者らが,①平成16年法律第163号による裁判所法の改正(以下「平成16年改正」という。)により,司法修習生が「その修習期間中,国庫から一定額の給与を受ける」制度(以下,「給費制」といい,国庫から支給される金員を総称して「給費」という。)が廃止されたことは,給費制若しくは司法修習における給費の支給を受ける権利を保障した憲法の規定に違反し,又は,いわゆる新64期司法修習生,いわゆる現行65期司法修習生及び裁判所書記官研修生との関係において平等原則に違反するものであって違憲無効であるとしてした,平成16年改正前の裁判所法67条2項の給費支払請求権に基づく給与支払請求,②平成16年改正という立法行為及び平成16年改正後に給費制を復活させなかった立法不作為が違法であるとしてした国家賠償法1条1項に基づく国家賠償請求,③司法修習生がその修習に従事することは憲法29条3項の「公共のために用ひる」ことに該当するとしてした同項に基づく損失補償請求が,いずれも棄却された事例

裁判要旨

 いわゆる新65期司法修習生であった者らが,①平成16年改正により,給費制が廃止されたことは,給費制若しくは司法修習における給費の支給を受ける権利を保障した憲法の規定に違反し,又は,いわゆる新64期司法修習生,いわゆる現行65期司法修習生及び裁判所書記官研修生との関係において平等原則に違反するものであって違憲無効であるとしてした,平成16年改正前の裁判所法67条2項の給費支払請求権に基づく給費支払請求,②平成16年改正という立法行為及び平成16年改正後に給費制を復活させなかった立法不作為が違法であるとしてした国家賠償法1条1項に基づく国家賠償請求,③司法修習生がその修習に従事することは憲法29条3項の「公共のために用ひる」ことに該当するとしてした同項に基づく損失補償請求が,①給費制及び司法修習における給費の支給を受ける権利は憲法上保障されたものではなく,また,新64期司法修習生,現行65期司法修習生及び裁判所書記官研修生と新65期司法修習生との間の区別は合理的な根拠に基づく区別といえることなどからすると,平成16年改正は違憲ではない,②そうすると,上記立法行為及び立法不作為は国家賠償法上違法なものということはできない,③司法修習に従事することは「公共のために用ひること」には当たらず,「特別の犠牲」が生じたともいえないなどとして,いずれも棄却された事例

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