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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成26(行ウ)217

事件名

 原爆症認定申請却下処分取消等請求事件

裁判年月日

 平成30年1月23日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 労作性狭心症を申請疾病とする原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請を却下する処分が違法であるとして取り消された事例
2 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請につき,放射線起因性の要件の充足に関する判断を誤って却下したことが国家賠償法上違法とはいえないとされた事例

裁判要旨

 1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請をした被爆者が,原爆放射線によって健康に影響を及ぼすような相当程度の外部被曝及び内部被曝を受け,申請疾病である労作性狭心症と放射線被曝との間に関連性が認められ,労作性狭心症の危険因子のうち加齢,喫煙,脂質異常症及び高血圧が認められるものの,脂質異常症及び高血圧の程度はいずれも重くなく,上記申請疾病について投薬治療等を受け続ける必要があることなどの判示の事情の下では,上記申請疾病については放射線起因性及び要医療性が認められるから,上記申請を却下する処分は違法である。
2 被爆者がした原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請を却下する処分について,厚生労働大臣が疾病・障害認定審査会の意見を聴いた上で,その意見に従ってされたものであるところ,その意見が関係資料に照らし明らかに誤りであるなど,答申された意見を尊重すべきではない特段の事情が存在したとまでは認められないなどの判示の事情の下においては,厚生労働大臣が上記却下処分をしたことにつき,国家賠償法上違法であるとは認められない。

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