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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成28(行ク)436

事件名

 執行停止の申立て事件

裁判年月日

 平成28年12月26日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 精神保健指定医に対する指定取消処分の執行停止の申立てにつき,行政事件訴訟法25条2項所定の「重大な損害を避けるため緊急の必要」があると認められた事例

裁判要旨

 精神保健指定医に対する指定取消処分(本件処分)による申立人の精神科医師としての社会的信用の低下,患者やその家族との信頼関係の毀損,申立人が経営する医療法人への経済的打撃等の損害は,いずれも回復が容易ではなく,その程度も大きいといえることに加え,指定医制度の趣旨等に照らしても,申立人を個々の患者との関係で指定医から排除する必要性が高いとはいえず,かえって,本件処分により地域の精神科医療に相当の支障が生じるなど公益に反する事態となるおそれがあることなどを考慮すると,本件処分により申立人が被る損害は,社会通念上,行政目的の達成を一時的に犠牲にしてもなお救済しなければならない程度に重大なものであると認めるのが相当であり,したがって,本件においては,本件処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるというべきである。

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