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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成29(行ウ)590

事件名

 消費税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 令和元年10月11日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

判示事項

 1 販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち,購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸されている建物に係るものについて,消費税法30条2項1号ロの「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ」に該当するとされた事例
2 販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち,購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸されている建物に係るものにおける,消費税法30条1項の規定により控除する消費税額の計算の基礎となる課税売上割合に準ずる割合について,同条3項1号の「当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるもの」ということはできないとされた事例

裁判要旨

 1 販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち,購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸されている建物に係るものについて,課税仕入れの区分の判断については,当該課税仕入れが行われた日の状況に基づいてその取引が事業者において行う将来の多様な取引のうちどのような取引に要するものであるのかを客観的に判断すべきものと解するのが相当であり,当該建物は,当該課税仕入れが行われた日の状況において,販売に供されるとともに,一定の期間,住宅用の賃貸にも供されるものであったと認められるなど判示の事情の下では,当該課税仕入れは,消費税法30条2項1号ロの「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ」に該当する。
2 販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち,購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸されている建物に係るものにおける,消費税法30条1項の規定により控除する消費税額の計算の基礎となる課税売上割合に準ずる割合について,当該課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物に係る販売収入及びその仕入日から譲渡日までに生じた賃貸料収入によって計算する方法によることの合理性は明らかにされているとはいい難く,当該計算方法による割合は,同条3項1号の「当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるもの」ということはできない。

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