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行政事件 裁判例集

事件番号

 令和1(行ウ)624

事件名

 情報公開非開示決定処分取消請求事件

裁判年月日

 令和3年2月16日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

判示事項

 1 A市情報公開条例(昭和61年A市条例第28号)に基づく行政情報公開請求について,実施機関である同市監査委員が同条例7条6号アに該当するとしてした一部非公開決定に,同条例12条1項所定の理由の提示として不備があるとされた事例
2 A市情報公開条例(昭和61年A市条例第28号)に基づく行政情報公開請求について,実施機関である同市監査委員が同条例12条1項所定の理由の提示として不備のある一部非公開決定をしたことが,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例

裁判要旨

 1 A市情報公開条例(昭和61年A市条例第28号)に基づく行政情報公開請求について,実施機関である同市監査委員が同条例7条6号アに該当するとしてした一部非公開決定は,同決定に係る通知書に非公開とした文書の名称,作成者等当該文書の基本的な情報が明らかにされておらず,他に,同通知書上,同市監査委員がいかなる事情から当該文書が公開されることにより監査事務の遂行に対する支障が生じるおそれがある旨判断したのかを了知するための手がかりとなるような記載もないことなど判示の事情の下においては,同条例12条1項所定の理由の提示として不備がある。
2 A市情報公開条例(昭和61年A市条例第28号)に基づく行政情報公開請求について,実施機関である同市監査委員が同条例12条1項所定の理由の提示に不備のある一部非公開決定をしたことは,①同決定に係る通知書に,文書名や文書の類型,文書の作成者,記録された情報の内容や性質,文書の入手方法等,処分行政庁がいかなる事情から当該文書が公開されることにより監査事務の遂行に対する支障が生じるおそれがある旨判断したのかを明らかにする記載が一切ないこと,②他の自治体における取扱いをみても,文書名すら明らかにせず包括的な記載にとどめ,非公開事由の有無の判断に資する事情を一切記載しないという取扱いが一般的なものであったとはいえないことなど判示の事情の下においては,国家賠償法1条1項の適用上違法である。

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