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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成29(行ウ)426

事件名

 所得税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 令和3年7月20日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

判示事項

 1 租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)40条の4第1項各号の居住者に該当する者が、所得税の確定申告書に同条7項に定める書面を添付せずに申告をした場合について、同条3項の規定(いわゆるタックス・ヘイブン対策税制の適用除外規定)を適用することはできないとされた事例

2 租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)40条の4第1項の特定外国子会社等に該当する外国法人について、その主たる事業は株式等の保有等であり、同条3項に定める要件(いわゆるタックス・ヘイブン対策税制の適用除外要件)を満たさないとされた事例

裁判要旨

 1 租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)40条の4第1項各号の居住者に該当する者が、所得税の確定申告書に同条7項に定める書面を添付せずに申告をした場合について、自己が株式を保有する外国法人が同条1項の特定外国子会社等に該当しないと判断したために上記書面を添付しなかったとの事情があっても、同条3項の規定を適用することはできない。

2 租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)40条の4第1項の特定外国子会社等に該当する外国法人について、①当該法人の事業は株式の保有及びグループ会社への管理サービスの二つとされていたこと、②当該法人がグループ会社とそれぞれ締結していた管理契約において、その管理料が、実際に履行される管理業務の内容や規模にかかわらず、グループ会社各社の売上高に一定割合を乗じた金額とされていたこと、③対象となる各事業年度において、当該法人が上記各契約に基づく管理業務を行った事実は認められないか、これが認められる場合でも、当該法人に管理収入をもたらす客観的に対価性のある業務はわずかであり、その管理料収入が当該法人の総収入に占める割合は限定的であったことなど判示の事実関係のもとにおいては、当該法人の主たる事業は、グループ会社に対する管理サービスではなく、株式等の保有等であり、当該法人は同条3項に定める要件(いわゆるタックス・ヘイブン対策税制の適用除外要件)を満たさない。

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