裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
令和3(行ウ)48
- 事件名
所得税更正処分取消請求事件
- 裁判年月日
令和4年12月22日
- 裁判所名
大阪地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 司法修習生に対して支給される基本給付金(裁判所法67条の2第2項)は、非課税所得である所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」に当たるか(消極)
2 司法修習生に対して無利息で貸与される修習専念資金(裁判所法67条の3)に係る利息相当額は、非課税所得である所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」に当たるか(消極)
3 司法修習生が支出した交通費、書籍代等を雑所得の金額の計算上必要経費に算入できるか(消極)
- 裁判要旨
1 司法修習生に対して支給される基本給付金(裁判所法67条の2第2項)は、法曹人材確保の充実・強化を図るという政策的な目的に基づき、修習専念義務を負い生活費を稼ぐことのできない司法修習生の生活費全般に充てるため、使途を限定せずに支給されるものであって、学資(司法修習における教育・指導を受けるために必要な費用)に充てるために支給されるものとはいえないから、非課税所得である所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」に当たらない。
2 司法修習生に対して無利息で貸与される修習専念資金(裁判所法67条の3)は、基本給付金等とその趣旨を共通にするものであり、学資(司法修習における教育・指導を受けるために必要な費用)に充てるために支給されるものとはいえないから、修習専念資金に係る利息相当額は、非課税所得である所得税法9条1項15号の「学資に充てるため給付される金品」に当たらない。
3 司法修習生に一律に一定額が支給される基本給付金(裁判所法67条の2第2項)については、必要経費として控除することができる経費は存在しないというべきであるから、司法修習生が支出した交通費、書籍代等を雑所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。
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