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行政事件 裁判例集

事件番号

 令和3(行ウ)123

事件名

 消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 令和5年5月25日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合における消費税法施行令45条3項の適用の可否

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当するとされた事例

裁判要旨

 1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合においても、その消費税の課税標準の額の算定に当たっては消費税法施行令45条3項が適用される。

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、当該事業者が、一般の中古住宅市場では流通しにくい中古住宅をその敷地と共に仕入れ、建物を中心としたリフォームによってその交換価値を高めていたこと、それにもかかわらず建物の代金額を専ら過去に仕入れた中古住宅における建物の価額の割合の平均値により算出していたため、仕入れ時及び販売時をみると、全体的に土地の価値が急騰する一方、建物の価値は下落して建物単体では損失が生じた形になっており、その結果として当該事業者が高額の消費税の還付を申告していたことなど判示の事情の下においては、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当する。

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