裁判例結果詳細

事件番号

平成16(行コ)36等

事件名

損害賠償等請求控訴(差戻)事件(原審・佐賀地方裁判所平成10年(行ウ)第4号等)

裁判年月日

平成17年8月9日

裁判所名

福岡高等裁判所

分野

行政

判示事項

県が支出した過去5か年分の複写機使用料に架空の水増しがされていたとして,2回にわたってされた住民監査請求につき,いずれも地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」があるとされた事例

裁判要旨

県が支出した過去5か年分の複写機使用料に架空の水増しがされていたとして,2回にわたってされた住民監査請求につき,前記支出は秘密裡にされた行為であるところ,監査請求人らにおいて,開示された文書を分析して,前記複写機使用料が高額であることを認識し,かつ,そのことについて,県側から合理的な説明がされないなどの理由により,不正支出の疑いがあると判断できた時点が,前記行為を知ることができたときであるとした上,県の対応が,架空水増し請求分があることを隠すための虚偽説明又は事実の解明に消極的な弁明に終始するものといわれても仕方がないものであったことなどからすれば,監査請求人らが前記不正支出の事実を知ることができたのは,県が,県庁全体で不正支出がされた事実を認めたと新聞に報道された時点であり,その時点から40日後にされた第1次監査請求は相当な期間内にされたものということができるし,また,前記報道の時点から120日後にされた第2次監査請求も,その対象期間が長期であること,その間に第1次監査請求が却下され,住民訴訟を提起する労力と時間を要したことなどを考えると,相当な期間内にされたものということができるとして,いずれも地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」があるとした事例

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