裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成17(行コ)1
- 事件名
許可取消処分取消請求控訴事件(原審・仙台地方裁判所平成15年(行ウ)第34号)
- 裁判年月日
平成17年6月17日
- 裁判所名
仙台高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項,同法(平成15年法律第93号による改正前)7条4項の「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物」の意義 2 産業廃棄物処理業(収集運搬)の許可を受けていた者が,陸上自衛隊の排出する弾薬用木箱の収集運搬及び処分をした行為並びに自社工場内で発泡スチロールを溶解した行為が廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項,同法(平成15年法律第93号による改正前)7条4項,14条4項に違反するとしてされた産業廃棄物処理業の許可取消処分が,適法とされた事例
- 裁判要旨
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律が,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る同法の目的に鑑み,廃棄物処理業を一般的に許可制とし,廃棄物が再生利用される場合には前記目的に反する弊害が生じるおそれがないから,廃棄物が再生利用される確実性に応じて,環境大臣の認定ないし市町村長の指定により,あるいはこれらも要さずに,例外的に許可制の対象外としたものであることからすれば,同法7条1項,同法(平成15年法律第93号による改正前)7条4項の「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物」とは,環境大臣ないし市町村長の認定等を待つまでもなく,その物の性質及び技術水準等に照らし再生利用されるのが通常であるものをいうと解するの相当であるから,当該廃棄物の回収,再生,利用のルートが技術的及び経済的に有益な取引過程として社会において形成されているだけではなく,普及しており,再生利用されることが通常一般になっていることが必要である。 2 産業廃棄物処理業(収集運搬)の許可を受けていた者が,陸上自衛隊の排出する弾薬用木箱の収集運搬及び処分をした行為並びに自社工場内で発泡スチロールを溶解した行為が廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項,同法(平成15年法律第93号による改正前)7条4項,14条4項に違反するとしてされた産業廃棄物処理業の許可取消処分につき,前記弾薬用木箱は,占有者たる陸上自衛隊が自ら利用し,又は他人に有償で売却することができないために不要になった物であって,同法2条1項の「廃棄物」に該当し,その性状,排出先等に照らすと同条2項の一般廃棄物に該当するところ,その性質及び技術水準等に照らし再生利用されるのが通常であるものとはいえないから,同法(平成15年法律第93号による改正前)7条1項ただし書,4項ただし書が定める「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物」に該当するとは認められないから,前記弾薬用木箱の収集運搬及び処分行為は無許可で一般廃棄物の収集運搬及び処分を業として行う行為に該当し,また,前記発泡スチロールの溶解については,反復継続の意思が認められるから同法(平成15年法律第93号による改正前)14条4項の「業として行う行為」に該当し,発泡スチロールが,その性質及び技術水準等に照らし再生利用されるのが通常であるものとはいえないから同項ただし書が定める「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」に該当するとは認められないから,前記溶解行為は,無許可で産業廃棄物の処分を業として行う行為に該当するなどとして,前記許可取消処分を適法とした事例
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