裁判例結果詳細

事件番号

平成16(行コ)389

事件名

退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成15年(行ウ)第340号)

裁判年月日

平成17年4月13日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

本邦において出生し,在留期間を経過して不法残留しているフィリピン国籍の未成年者(中学生)が,出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議申出をしたのに対し,入国管理局長がした当該異議は理由がない旨の裁決は,在留特別許可を認めなかった点で違法であり,同裁決を前提としてされた退去強制令書の発付処分(退去処分)も違法であるとしてした当該裁決及び退去処分の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

本邦において出生し,在留期間を経過して不法残留しているフィリピン国籍の未成年者(中学生)が,出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議申出をしたのに対し,入国管理局長がした当該異議は理由がない旨の裁決は,在留特別許可を認めなかった点で違法であり,同裁決を前提としてされた退去強制令書の発付処分(退去処分)も違法であるとしてした当該裁決及び退去処分の取消請求につき,前記の者が,約15年間にもわたり日本社会において日本人の子供と全く変わりない生活を継続し,日本の生活習慣や文化にも十分になじみ,引き続き日本での学習を希望し,将来は日本で仕事をすることを希望し,また,フィリピンで生活することに大きな困難が伴うことが推測されるという事情が存するとしても,前記の者に対してのみ在留特別許可をすると両親から離れて生活することになり,出生以来一貫して受けてきた両親の監護を受けられなくなる影響が大きいこと,同法上,中学生である外国人が扶養者である両親と離れて単独で本邦に在留し,中学校に通学するという活動を想定した定型的な在留資格が設けられていないこと,フィリピンに帰国した際の困難を乗り越えることも十分に可能であると考えられることから,入国管理局長が在留特別許可をしなかったことに裁量権の逸脱又は濫用があるとは認められないとして,前記各請求を棄却した事例

全文

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