裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成16(行コ)177
- 事件名
各障害基礎年金不支給決定取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第190号ないし第192号)
- 裁判年月日
平成17年3月25日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
大学在学中に疾病又は傷害によって障害を負いながら,国民年金に任意加入をしていなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,国はこのような無年金者が生ずることがないよう適切な立法措置をすべきであったのにそれを怠ったものであるとして,国に対してした国家賠償請求につき,前記請求を棄却した事例
- 裁判要旨
大学在学中に疾病又は傷害によって障害を負いながら,国民年金に任意加入をしていなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,国はこのような無年金者が生ずることがないよう適切な立法措置をすべきであったのにそれを怠ったものであるとして,国に対してした国家賠償請求につき,昭和60年法律第34号による改正後の国民年金法の改正時点においても,制度の是正については立法者が立法政策を取捨選択して総合的に考慮して判断すべきものであり,学生の無年金問題に対する是正措置を結果として講じていないことをもって憲法14条に違反する状態が生じていたということはできないし,前記改正後の国民年金法が従来障害福祉年金を受給していた者につき障害基礎年金を支給することとしながら,20歳に達してから在学中に障害を受けた学生無年金者につき結果として何らの措置を講じなかったことも憲法14条に違反する状態をもたらしたものと評価することもできないとし,また,平成元年法律第86号による改正後の国民年金法において学生を同法の強制適用の対象に含めることとした際に過去の無年金者に対してどのような取扱いをするかについても立法者の広範な裁量判断の範囲内の問題であり,遡及的な救済措置を講じなかったことが違法であるということはできないなどとして,前記請求を棄却した事例
- 全文