裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成16(行コ)79
- 事件名
損害賠償請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成13年(行ウ)第20号)
- 裁判年月日
平成17年3月25日
- 裁判所名
大阪高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 廃棄物の焼却施設に構造的欠陥があり,同施設の運転管理も不適切であったために同施設から多量のダイオキシン類が生成,放出され,同施設及び周辺地域が汚染されたことによって損害を被った一部事務組合である環境施設組合は,同施設の設計及び建設を受注した会社及び運転管理事務を委託していた会社に対して損害賠償請求権を有しているのに,前記組合管理者はこれを行使せず,その管理を怠っているなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記組合に代位して提起された,前記各会社に対する損害賠償請求の訴えにつき,公害紛争処理法に基づく公害調停手続において,前記組合と前記各会社との間で公害調停が成立したことにより「財産の管理を怠る事実」が存在せず,前記訴えは不適法であるとの主張が排斥された事例 2 廃棄物の焼却施設に構造的欠陥があり,同施設の運転管理も不適切であったために同施設から多量のダイオキシン類が生成,放出され,同施設及び周辺地域が汚染されたことによって損害を被った一部事務組合である環境施設組合は,同施設の設計及び建設を受注した会社及び運転管理事務を委託していた会社に対して損害賠償請求権を有しているのに,前記組合管理者はこれを行使せず,その管理を怠っているなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記各会社に対してされた損害賠償の請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 廃棄物の焼却施設に構造的欠陥があり,同施設の運転管理も不適切であったために同施設から多量のダイオキシン類が生成,放出され,同施設及び周辺地域が汚染されたことによって損害を被った一部事務組合である環境施設組合は,同施設の設計及び建設を受注した会社及び運転管理事務を委託していた会社に対して損害賠償請求権を有しているのに,前記組合管理者はこれを行使せず,その管理を怠っているなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記組合に代位して提起された,前記各会社に対する損害賠償請求の訴えにつき,前記組合が当該損害賠償請求権を行使している事実はなく,同請求権を行使しないという不作為自体は存在しているというべきであるから,前記訴えは,同法が認めた住民訴訟の類型に適合しているとした上,公害紛争処理法に基づく公害調停手続において,前記組合と前記各会社との間で公害調停が成立したことにより,前記組合の前記各会社に対する前記損害賠償請求権の行使ができなくなっているか否かという点は,前記損害賠償請求権の有無に関する本来の問題であるとして,前記調停成立により「財産の管理を怠る事実」が存在せず,前記訴えは不適法であるとの主張を排斥した事例 2 廃棄物の焼却施設に構造的欠陥があり,同施設の運転管理も不適切であったために同施設から多量のダイオキシン類が生成,放出され,同施設及び周辺地域が汚染されたことによって損害を被った一部事務組合である環境施設組合は,同施設の設計及び建設を受注した会社及び運転管理事務を委託していた会社に対して損害賠償請求権を有しているのに,前記組合管理者はこれを行使せず,その管理を怠っているなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記各会社に対してされた損害賠償の請求につき,仮に,前記組合の前記各会社に対する当該損害賠償請求権が発生していたとしても,公害紛争処理法に基づく公害調停手続における公害調停の成立により,前記組合と前記各会社との間において清算合意を含む当該損害賠償請求権に関する和解契約が成立しているから,前記組合は,前記各会社に対し,もはや当該損害賠償請求権を行使することができないというべきであるとして,前記請求を棄却した事例
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