裁判例結果詳細

事件番号

平成15(行ウ)39

事件名

建築確認処分取消請求事件

裁判年月日

平成17年2月23日

裁判所名

横浜地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項,33条1項7号の規定による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める訴えにつき,がけ崩れ等による直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に居住する者の原告適格が肯定された事例  2 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項,33条1項7号による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める訴えにつき,地方自治法260条の2第1項に規定する地縁による団体として認可を受けた団体(自治会)の原告適格が否定された事例  3 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項,33条1項7号の規定による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める請求が,認容された事例

裁判要旨

1 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前。以下同じ。)29条1項,33条1項7号の規定による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める訴えにつき,同項の建築確認処分は,都市計画法29条1項に規定する開発行為の許可制度によって保護しようとしている利益の保護をも目的としたものであるところ,同法33条1項7号は,がけ崩れ等のおそれがない良好な都市環境の保持・形成を図るとともに,がけ崩れ等による被害が直接的に及ぶことが想定される開発区域内外の一定範囲の地域の住民の生命,身体の安全等を,個々人の個別的法益としても保護する趣旨を含むものと解すべきであるとして,がけ崩れ等による直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に居住する者の原告適格を肯定した事例  2 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項,33条1項7号による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める訴えにつき,地方自治法260条の2第1項に規定する地縁による団体として認可を受けた団体(自治会)については,前記団体自身の生命,身体の安全等の利益を観念できず,同項の趣旨・目的に照らし,各構成員の生命,身体の安全等の保護を求めて訴えを提起できると解することもできないなどとして,前記団体の原告適格を否定した事例  3 建築計画に係る土地が都市計画法33条1項7号にいうがけ崩れのおそれの多い土地等にあたる場合において,当該建築計画に伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項,33条1項7号の規定による審査,許可を経由することがないまま,当該建築計画についてされた建築基準法6条1項に基づく建築確認処分の取消しを求める請求につき,建築計画が,これに伴う開発行為について都市計画法(平成15年法律第101号による改正前)29条1項に基づく許可を要するものであるにもかかわらず,これを受けないまま建築確認処分がなされた場合には,必要な開発許可を受けていない当該建築計画は,同項の規定に適合しないことは明らかであり,当該建築確認処分も瑕疵を帯びることになることなどからすれば,当該建築確認処分の取消訴訟において,本来必要な開発許可が欠落しているとの事実を同処分の取消事由として主張することができるとした上,前記請求を認容した事例

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