裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成16(行コ)15
- 事件名
行政文書不開示処分取消請求控訴事件(原審・高松地方裁判所平成14年(行ウ)第3号)
- 裁判年月日
平成17年1月25日
- 裁判所名
高松高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前)5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に該当するとされた事例 2 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前)5条6号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとされた事例
- 裁判要旨
1 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報につき,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前。以下「情報公開法」という。)5条5号において「率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれ」があるものが不開示情報とされた趣旨は,終局的な意思決定がされる過程においては,様々な選択肢の是非,長短について多方面から自由な意見交換等がされるべきであるのに,最終的に採用されるに至らなかった中間的な議論,未成熟な意見等が公開されることで,外部からの不当な圧力や干渉等を受けることなどにより,当該意思決定自体がゆがめられるおそれを生じることがあるほか,終局的意思決定に対する誤解や筋違いの批判等を招き,ひいては途中経過における自由かつ率直な意見交換等が妨げられるおそれがあるので,そのような結果となることを防止するために,適正な意思決定手続を確保するという点にあると考えられるところ,このような立法趣旨からすれば,同号にいう「不当に損なわれるおそれ」とは,単に行政機関においてそのおそれがあると判断するだけではなく客観的にそのおそれがあると認められることが必要であるというべきであるが,他方,行政機関としては当該行政文書の内容自体を立証することはできないのであるから,前記の「おそれ」があるか否かの判断に当たり,高度な蓋然性があることまでは要求されないとした上で,前記再編成協議会は非公開で行われ,出席者の間ではその議事録も公開されないことが前提とされていたと推認されるところ,そのような前提でされた協議の議事録が公開されれば,出席者との信頼関係を損ないかねず,前記協議会後に予定されている地元関係者との協議会等において率直な意見交換に困難が生じることなどからすれば,前記文書を開示することにより,率直な意見の交換ひいては意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあると認められるとして,前記情報は情報公開法5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に該当するとした事例 2 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報につき,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前。以下「情報公開法」という。)5条6号の趣旨は,行政機関の行う行政は,法律に基づき,公益に適合するよう行われなければならないところ,開示することにより,その事務・事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのある情報は,不開示とする合理的な理由が認められることにあると解され,このような立法趣旨からすれば,同号にいう「当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」とは,単に行政機関においてそのおそれがあると判断するだけではなく客観的にそのおそれがあると認められることが必要であるというべきであるが,他方,行政機関としては当該行政文書の内容自体を立証することはできないのであるから,前記の「おそれ」があるか否かの判断に当たり,高度な蓋然性があることまでは要求されないとした上で,前記再編成協議会の議事録は公開されないことが前提とされていたと推認されるところ,このような協議の議事録が公開されれば,出席者との信頼関係を損ない,前記経営移譲に悪影響を及ぼしかねない上,他の再編成計画の遂行にも悪影響を及ぼす可能性が相当程度認められることからすれば,前記文書を開示することにより,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとして,前記情報は情報公開法5条6号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとした事例
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