裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成16(行コ)33
- 事件名
公文書非開示決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成14年(行ウ)第298号,同第362号,同第363号,同第364号,同第365号)
- 裁判年月日
平成16年12月15日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 司法制度改革推進本部が開催する各種検討会の会合の内容を記録した録音テープのうち,仲裁検討会の議事の公開及び関係機関からの出席の各協議の部分,その余の各検討会の議事の公開の協議の部分が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イ所定の例外的開示情報に該当しないとされた事例 2 司法制度改革推進本部が開催する各種検討会の会合の内容を記録した録音テープのうち,仲裁検討会の議事の公開及び関係機関からの出席の各協議の部分,その余の各検討会の議事の公開の協議の部分が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書ハ所定の例外的開示情報に該当しないとされた事例
- 裁判要旨
1 司法制度改革推進本部が開催する各種検討会の会合の内容を記録した録音テープのうち,仲裁検討会の議事の公開及び関係機関からの出席の各協議の部分,その余の各検討会の議事の公開の協議の部分につき,前記部分は,委員の意見が記録されたものであって,個人に関する情報ということができ,かつ,委員の人数が11名である上,肉声,発言内容,前後の発言内容などから,特定の個人を識別できる情報であるということができ,個人情報を含むものということができるところ,前記各検討会は,司法制度改革推進本部の事務局長の下に設けられた私的な諮問機関であり,法律上の根拠があるものではなく,委員の任命に際しても,特段の発令行為がなかったこと,前記検討会が設けられた目的は,司法制度改革に必要な法令等の立案などに関し,有識者(学者,法曹関係者,関係省庁職員,民間人等)の忌たんのない活発な意見を聴くことにあり,答申などの成果物を求めるものではなかったこと,前記各検討会は,第1回会合において,議事の公開の協議をし,大要,?毎回の会議の議事概要及び議事録を作成し,公表すること,発言者名は記載しないこと,?報道機関の会場における議事の傍聴を認めること,?関係者の名誉,プライバシーの保護や捜査の秘密の保護が必要な場合などには,公開を停止し,報道機関の傍聴を制限したり,その部分について,議事概要及び議事録への記載を避けることもあり得ることを決定したこと,前記各検討会について,その組織及び運営等(議事の公開を含む。)を直接に定めた法令はないことなどから,前記部分は,法令の規定により,公にされ,又は公にすることが予定されている情報であるといえず,慣行として,公にされ,又は公にすることが予定されている情報であると認めるに足りないとして,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イ所定の例外的開示情報に該当しないとした事例 2 司法制度改革推進本部が開催する各種検討会の会合の内容を記録した録音テープのうち,仲裁検討会の議事の公開及び関係機関からの出席の各協議の部分,その余の各検討会の議事の公開の協議の部分につき,前記各検討会は,司法制度改革推進本部の事務局長の下に設けられた私的な諮問機関であり,法律上の根拠があるものではなく,委員の任命に際しても,特段の発令行為がなかったことから,前記各委員会の委員としての発言であることをもって,公務員の職務遂行の内容に係る情報であるとはいえず,また,前記各検討会が設けられた目的は,司法制度改革に必要な法令等の立案などに関し,有識者(学者,法曹関係者,関係省庁職員,民間人等)の忌たんのない活発な意見を聴くことにあり,国立大学の教授の発言であれば,国立大学の教授としての本来の職務である研究,教授などの職務遂行としてされるものではなく,また,裁判官の発言であれば,裁判官としての本来の職務である裁判事務又は行政事務などの職務遂行としてされるものではないから,前記各検討会の委員がたまたま公務員であるとしても,その公務員の本来の職務遂行の内容に係る情報ではないとして,前記部分は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書ハ所定の例外的開示情報に該当しないとした事例
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