裁判例結果詳細

事件番号

平成13(行ウ)8

事件名

損害賠償請求事件

裁判年月日

平成16年8月5日

裁判所名

大阪地方裁判所

分野

行政

判示事項

府が指名競争入札を行った2件の公共工事において,当時の府議会議員と落札業者が共謀して競売入札妨害,談合等の不法行為を行い,府が前記各工事の請負代金額と最低制限価格との差額に相当する損害を被ったにもかかわらず,前記府議会議員及び落札業者に対して前記損害の賠償請求をしないことが違法であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,府に代位してされた前記府議会議員及び落札業者の代表取締役個人に対する損害賠償請求が,いずれも一部認容された事例

裁判要旨

府が指名競争入札を行った2件の公共工事において,当時の府議会議員と落札業者が共謀して競売入札妨害,談合等の不法行為を行い,府が前記各公共工事の請負代金額と最低制限価格との差額に相当する損害を被ったにもかかわらず,府が前記府議会議員及び落札業者に対して前記損害の賠償請求をしないことが違法であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,府に代位してされた前記府議会議員及び落札業者の代表取締役個人に対する損害賠償請求につき,前記落札業者は,前記各指名競争入札手続において,指名業者らとの間で談合を成立させた上,前記府議会議員に依頼して,府において厳格に秘密とされていた前記各公共工事の予定価格の概数の教示を受け,実際の予定価格に非常に近接した価格で前記各公共工事を落札し,また,前記府議会議員も,前記談合が成立していることを知りながら,前記落札業者の依頼により府の担当職員から前記各予定価格の概数を聞き出し,前記落札業者に教示したものであるから,共同不法行為が成立し,同人らは,府が被った公正な競争がされた場合の想定落札価格と現実の落札価格の差額に消費税相当額を加算した金額に相当する損害を賠償すべき義務があるが,指名競争入札における落札価格は,様々な要因が複雑に影響しあって形成されるものであり,公正な競争がされた場合の想定落札価格を認定することは,通常極めて困難であるから,民事訴訟法248条の規定により,談合がなかった場合の想定落札価格を,前記各公共工事の落札価格と最低制限価格の中間の価格であるとし,前記損害額は請負代金額(落札価格に消費税相当額を加算した額)と最低制限価格の差額の2分の1と認めるのが相当であるとして,前記請求をいずれも一部認容した事例

全文

全文

ページ上部に戻る