裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成14(行ウ)3
- 事件名
行政文書不開示処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成16年4月26日
- 裁判所名
高松地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前)5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に該当しないとされた事例 2 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前)5条6号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当しないとされた事例
- 裁判要旨
1 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報につき,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前。以下「情報公開法」という。)5条5号の趣旨は,終局的な意思決定がされる過程においては,様々な選択肢の是非,長短について多方面から自由な意見交換等がされるべきであるのに,最終的に採用されるに至らなかった中間的な議論,未成熟な意見及び未整理の資料等が公開されることにより,終局的意思決定に対する誤った理解,筋違いの批判等を招き,外部からの不当な圧力や干渉等を受け,ひいては自由な意見交換等が妨げられる結果となることを防止するために,適正な意思決定手続の確保を保護するという点にあると考えられるとした上で,前記文書を開示することにより,前記再編成協議会の協議員に対する不当な圧力,干渉をもたらすといった,率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれを認めることはできないとして,前記情報は情報公開法5条5号所定の不開示情報(意思形成過程情報)に該当しないとした事例 2 国立病院の再編成協議会の議事録に記載された同病院の経営移譲等に関する情報につき,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前。以下「情報公開法」という。)5条6号の趣旨は,行政機関の行う行政が,法律に基づき,公益に適合するよう行われることを確保することにあると解されることから,行政機関に対し,当該情報を公開するか否かの決定について,広範な裁量権限を与える趣旨と解すべきではなく,開示の必要性,開示することにより得られる国民の利益等の種々の利益を衡量した上で,当該事務又は事業の適正な執行が妨げられるおそれがあるか否かについて,具体的に検討すべきであり,同号の規定する公開による事務又は事業の「支障」の程度は,名目的なものでは足りず,具体的な根拠が必要であり,その「おそれ」の程度も,単なる抽象的な可能性ではなく,高度の蓋然性が当然に要求されると解すべきであるとした上で,前記文書を開示することにより,前記病院の再編成計画という事務又は事業の適正な執行を妨げるようなおそれのある事情は認められないとして,前記情報は情報公開法5条6号所定の不開示情報(事務事業情報)に該当しないとした事例
- 全文