裁判例結果詳細

事件番号

平成15(行コ)3

事件名

公文書非公開処分取消等請求控訴事件(原審・奈良地方裁判所平成13年(行ウ)第1号)

裁判年月日

平成16年3月30日

裁判所名

大阪高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「取得予定額」欄に記載された取得予定金額が,生駒市情報公開条例6条7号に非開示情報として規定する事務事業情報に該当するとされた事例  2 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「取得予定額」欄に記載された取得予定金額及び単価が,生駒市情報公開条例6条7号に非開示情報として規定する事務事業情報に該当しないとされた事例  3 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「売却要望に係る用地費,金利,金額」欄記載の金額が,いずれも生駒市情報公開条例6条2号本文に非開示情報として規定する個人識別情報に該当するとされた事例 

裁判要旨

1 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「取得予定額」欄に記載された取得予定金額は,当該用地が所在する地区でなお買収事業が継続しており,しかも権利変換交渉の活発化が予想される事案においては,近隣の既買収地の取得価格が開示されると買収交渉が難航,長期化する可能性が高まり,事業の円滑な執行に支障が生じることは容易に予期できるとして,生駒市情報公開条例6条7号に非開示情報として規定する事務事業情報に該当するとした事例  2 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「取得予定額」欄に記載された取得予定金額及び単価は,当該用地の取得が既に完了している事案においては,未買地の地権者が既買収地の取得価格を前提に自己に有利な価格を主張したとしても,交渉担当者としては各用地の対象となる事業や立地条件の相違,更には評価時点の相違等を説明するとともに,租税特別措置法上の優遇措置や土地収容という強制処分の存在を示唆することにより,早期に未買収地の地権者から一定の理解と協力を得ることが比較的容易であることから,これが開示されると事業の円滑な執行に著しい支障が生じるおそれがあるとまではいえないとして,生駒市情報公開条例6条7号に非開示情報として規定する事務事業情報に該当しないとした事例  3 市街地再開発事業用地の先行取得に係る依頼文書中の「売却要望に係る用地費,金利,金額」欄記載の金額は,それだけから直接特定の個人に関する情報を識別することは不可能であるが,前記文書には用地費と併せて各用地の地番が詳細に記載されているところ,通常,土地の地番さえ分かれば不動産登記簿を閲覧することにより容易に土地の所有者が誰であるかを知ることが可能であり,また,各用地の金利の額及び金額は,一般に公表されている生駒市土地開発公社の決算書等にある当該用地の保有期間,借入利率から当該用地の用地額を算出することができ,これに地番等の他の情報を結びつけることにより,当該用地の元所有者とその収入状況を特定識別することが可能であるとして,いずれも生駒市情報公開条例6条2号本文に非開示情報として規定する個人識別情報に該当するとした事例 

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