裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成11(行ウ)43等
- 事件名
債務負担行為差止等請求事件,損害賠償請求事件,共同訴訟参加申立事件,神戸空港建設事業関連予算の支出差止等請求事件
- 裁判年月日
平成16年3月30日
- 裁判所名
神戸地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項1号に基づく市長に対する神戸空港建設に関する一切の債務負担行為の差止請求及び同項4号に基づく元市長個人に対する損害賠償請求のうち,後者の請求を住民監査請求に基づく出訴期間の経過後に取り下げるとともに,前記改正後の同号に基づき市長に対し,元市長個人及び現市長個人に対して前記債務負担行為によって市が被る損害を回復するために必要な措置をとるよう請求することを求める請求を追加する訴えの交換的変更を行った場合につき,変更後の請求に係る訴えが出訴期間を徒過しており不適法なものであるとされた事例 2 神戸空港建設関連事業に関する予算支出は地方自治法及び地方財政法の定める公金支出要件を充たしていないから,前記予算支出に関する財務会計上の行為は違法であるなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項1号に基づき市長に対してされた前記事業に関する債務負担行為及び支出命令発令の差止請求が,いずれも棄却された事例 3 神戸空港建設関連事業に関する予算支出は地方自治法及び地方財政法の定める公金支出要件を充たしていないから,前記予算支出に関する財務会計上の行為は違法であるなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して元市長個人に対してされた損害賠償請求及び前記改正後の同号に基づき市長に対し現市長個人に対して損害賠償請求をすることを求める請求が,いずれも棄却された事例
- 裁判要旨
1 平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項1号に基づく市長に対する神戸空港建設に関する一切の債務負担行為の差止請求及び同項4号に基づく元市長個人に対する損害賠償請求のうち,後者の請求を住民監査請求に基づく出訴期間経過後に取り下げるとともに,前記改正後の同号に基づき市長に対し,元市長個人及び現市長個人に対して前記債務負担行為によって市が被る損害を回復するために必要な措置をとるよう請求することを求める請求を追加する訴えの交換的変更を行った場合につき,前記取下げに係る請求は,個人たる市長に対する損害賠償代位請求であるのに対し,変更後の請求は,機関たる市長が個人たる市長に対し前記債務負担行為によって市が被る損害の回復のために必要な措置をとるよう請求することを求める訴えであるから,変更前後の請求は,請求の主体,客体,性質,内容のいずれの点においても全く別個の請求であるというべきであり,訴訟物の同一性も,変更後の訴えを当初の訴え提起時に提起されたものと同視すべき特段の事情も認められないとして,前記変更後の請求に係る訴えは出訴期間を徒過しており不適法であるとした事例 2 神戸空港建設関連事業に関する予算支出は地方自治法及び地方財政法の定める公金支出要件を充たしていないから,前記予算支出に関する財務会計上の行為は違法であるなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項1号に基づき市長に対してされた前記事業に関する債務負担行為及び支出命令発令の差止請求につき,前記各法律が定める基本的指針に適合するか否かの判断は地方公共団体の長の広範な裁量に委ねられているのであるから,その裁量が著しく合理性を欠き,長に与えられた広範な裁量権を逸脱し又は濫用したと認められる例外的な場合を除いては,違法なものとはなり得ないと解すべきところ,前記事業を継続することにより市財政に悪影響を与えるおそれがあり,かつ,日本全体の利益という大きな視点に立って考えると,前記空港建設の必要性にも疑問がないわけではないが,前記事業を実施するとした市長の政策的選択,判断の内容等が,著しく不合理であるとまでは認められず,地方公共団体の長に認められている広範な裁量権の逸脱又は濫用に当たる違法なものとは認められないし,また,前記空港の安全性に問題がないとはいえないものの,前記空港の安全性に重大な欠陥があり,空港が閉鎖される等の事態に追い込まれるおそれがあるとは認め難いから,前記事業が著しく合理性を欠き,そのために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない違法が存するものとも認められないから,前記債務負担行為及び支出命令の発令は違法とはいえないなどとして,前記各請求をいずれも棄却した事例 3 神戸空港建設関連事業に関する予算支出は地方自治法及び地方財政法の定める公金支出要件を充たしていないから,前記予算支出に関する財務会計上の行為は違法であるなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して元市長個人に対してされた損害賠償請求及び前記改正後の同号に基づき市長に対し現市長個人に対して損害賠償請求をすることを求める請求につき,前記各法律が定める基本的指針に適合するか否かの判断は地方公共団体の長の広範な裁量に委ねられているのであるから,その裁量が著しく合理性を欠き,長に与えられた広範な裁量権を逸脱し又は濫用したと認められる例外的な場合を除いては,違法はものとはない得ないと解すべきところ,前記事業を継続することにより市財政に悪影響を与えるおそれがあり,かつ,日本全体の利益という大きな視点に立って考えると,前記空港建設の必要性にも疑問がないわけではないが,前記事業を実施するとした市長の政策的選択,判断の内容等が,著しく不合理であるとまでは認められず,地方公共団体の長に認められている広範な裁量権の逸脱又は濫用に当たる違法なものとは認められないし,また,前記空港の安全性に問題がないとはいえないものの,前記空港の安全性に重大な欠陥があり,空港が閉鎖される等の事態に追い込まれるおそれがあるとは認め難いから,前記事業が著しく合理性を欠き,そのために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない違法が存するものとも認められないから,前記事業に関して行われた債務負担行為及び支払命令は違法とはいえないなどとして,前記各請求をいずれも棄却した事例
- 全文