裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成14(行ウ)377等
- 事件名
平成14年(行ウ)第377号,同第369号特例許可処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成15年12月19日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 近隣住民の提起した市の高度地区に関する都市計画の定めに基づく建築物の高さ制限除外許可処分及び建築基準法(平成18年法律第92号による改正前)6条の2第1項に基づく建築確認処分の取消しの訴えにつき,当該建築物の完成によって日照に影響が発生する区分所有建物に居住する者の原告適格が認められた事例 2 近隣住民の提起した建築基準法(平成14年法律第85号による改正前)86条の2第1項に基づく同一敷地内建築物以外の建築物の位置及び構造の認定処分の取消しの訴えにつき,同一敷地内とみなされる当該一団地の外に区分所有建物を所有する者の原告適格が認められないとされた事例
- 裁判要旨
1 近隣住民の提起した市の高度地区に関する都市計画の定めに基づく建築物の高さ制限除外許可処分及び建築基準法(平成18年法律第92号による改正前)6条の2第1項に基づく建築確認処分の取消しの訴えにつき,前記高さ制限は,当該建築物の主として北側隣地に対する日照を確保する趣旨を含むと解されることなどから,当該建築物の隣接地における日照を個々人の個別的利益として保護するものであり,前記除外許可の定めは,前記高さ制限によって保護された日照に対する利益について,これを制限し得るか否かを特定行政庁による許可という行政処分に掛からしめることを通じて,個々人の個別的利益としてこれを保護する趣旨を含むと解することができるから,前記高さ制限によって保護された日照に対する利益を侵害されるおそれがある者は,前記許可の取消しの訴えについて法律上の利益を有するということができ,また,当該建築物が前記高さ制限に違反していないことが前記確認処分による確認の対象に含まれていたとして,当該建築物の完成によって日照に影響が発生する区分所有建物に居住する者の前記各訴えについての原告適格を認めた事例 2 近隣住民の提起した建築基準法(平成14年法律第85号による改正前)86条の2第1項に基づく同一敷地内建築物以外の建築物の位置及び構造の認定処分の取消しの訴えにつき,同項は「他の同一敷地内建築物の位置及び構造との関係において安全上,防火上及び衛生上支障がない旨の特定行政庁の認定」との文言を用いており,同項による認定は,既に同法(平成14年法律第22号による改正前)86条1項又は2項による認定を受けた一団地内の複数建築物の存在を前提として,公告対象区域内のこれら複数建築物と新規の当該建築物相互の関係において,支障が生ずることを防止することを目的とする規定であることが明らかというべきであり,同一敷地内とみなされる当該一団地の外に区分所有建物を所有する者の日照,眺望,プライバシー等及び風環境に対する利益を個々人の個別的利益として保護していると解することはできないとして,その者の前記訴えについての原告適格を認めないとした事例
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