裁判例結果詳細

事件番号

平成14(行ウ)4

事件名

違法確認及び措置請求事件

裁判年月日

平成15年10月28日

裁判所名

甲府地方裁判所

分野

行政

判示事項

村が電力会社との間で,同社所有地に発電用水の貯留及び洪水時の一時湛水を目的とする地役権を設定することを条件に同土地を購入する旨の売買契約を締結したことが,行政財産に私権の設定を禁ずる地方自治法238条の4第1項に違反するなどとして,同法242条の2第1項4号に基づき,町長個人に損害賠償の請求をすることを町長に対し求める請求が,棄却された事例

裁判要旨

村が電力会社との間で,同社所有地に発電用水の貯留及び洪水時の一時湛水を目的とする地役権を設定することを条件に同土地を購入する旨の売買契約を締結したことが,行政財産に私権の設定を禁ずる地方自治法238条の4第1項に違反するなどとして,同法242条の2第1項4号に基づき,町長個人に損害賠償の請求をすることを町長に対し求める請求につき,同法238条の4第1項は,行政財産は,一定の場合を除くほか,私権の設定をすることができない旨定めているが,行政財産として取得しようとする財産に既に私権が設定されていても,公用又は公共用に供することに支障がない限りはこれを取得して行政財産とすることは本条項に違反しないものと解するのが相当であるとした上,前記売買契約及び地役権の設定は,行政財産として取得しようとする財産に既に私権が設定されていた場合と同視することができ,同法238条の4第1項の文言上もかかる方法による行政財産の取得を明確に禁止しているとは解されないし,また,地役権設定が行政財産の効用を減少し,多目的広場の建設という行政目的の達成を困難にするものとはいえないから,前記売買契約が同法238条の4第1項に違反し無効であるとは認められないなどとして,前記請求を棄却した事例

全文

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