裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成13(行コ)8
- 事件名
非公開決定処分取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成11年(行ウ)43号)
- 裁判年月日
平成15年5月28日
- 裁判所名
名古屋高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報が,名古屋市公文書公開条例9条1項1号所定の非公開情報(個人情報)に当たらないとされた事例 2 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報が,名古屋市公文書公開条例9条1項2号所定の非公開情報(法人等情報)に当たらないとされた事例 3 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報が,名古屋市公文書公開条例9条1項6号所定の非公開情報(事務事業情報)に当たらないとされた事例
- 裁判要旨
1 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報につき,名古屋市公文書公開条例9条1項1号は,個人識別情報のうち,個人のプライバシーに関する情報として保護されるべきものを非公開とする趣旨の規定であるから,同号所定の「通常他人に知られたくないと認められるもの」という要件は,健全な社会常識を有する通常の一般人の立場に立った場合,その情報を他人に知られることに抵抗感を示すかどうかという見地から解釈すべきであるところ,前記取得価格等は,公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前)7条に基づき公示価格を規準として客観的に算出された公正な価格となっているはずであるから,私人間の売買の場合のようにその価格自体が当事者の経済状況を示す指標になることはあり得ず,プライバシー性は希薄であって,健全な社会常識を有する通常の一般人であれば,その価格を他人に知られることにつき抵抗感を有することはないといえるとして,前記情報は,前記条例9条1項1号所定の非公開情報(個人情報)に当たらないとした事例 2 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報につき,法人等及び個人事業者が地方公共団体の要請に応えてその事業に使用する必要がある土地を売り渡したという事実自体が,当該法人等及び個人事業者の営業活動及び信用等に悪影響を及ぼすとは考え難いし,その取引価格は,公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前)7条に基づき公示価格を規準として客観的に算出されたものであるから,前記情報は,名古屋市公文書公開条例9条1項2号所定の「当該法人等又は個人に明らかに不利益を与えると認められるもの」に該当するとはいい難いとして,同号所定の非公開情報(法人等情報)に当たらないとした事例 3 市土地開発公社が,市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得した土地の一覧表である保有土地一覧表中,「取得」欄及び「積上」欄に記載された土地の取得価格等の情報につき,名古屋市公文書公開条例9条1項6号所定の「当該又は同種の事務事業の目的の達成が損なわれるおそれ」が存することについて,実施機関は,抽象的なおそれがある旨を主張するのみでは足りず,その主観のいかんにかかわらず,前記おそれが具体的に存することにつき客観的な主張立証をすることが必要であるところ,前記取得価格等は,公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前)7条に基づき公示価格を規準として決定された価格のはずであるから,公開されなくとも一応の推定は可能なものであって,その公開により直ちに未買収地の買収が困難になるということはできないし,また,前記「当該又は同種の事務事業の目的の達成が損なわれるおそれ」については,前記未買収地の所有者が誤解に基づき不当な対価を要求するような場合ではなく,事務事業の目的の達成が損なわれる具体的おそれを主張立証する必要があるが,この点につき具体的な主張立証がないから,前記おそれがあるとは認められないとして,前記情報は,前記条例9条1項6号所定の非公開情報(事務事業情報)に当たらないとした事例
- 全文