裁判例結果詳細

事件番号

平成14(行コ)166

事件名

損害賠償代位請求住民訴訟控訴事件(原審・さいたま地方裁判所平成8年(行ウ)第3号)

裁判年月日

平成14年12月24日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

県が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が業者に発注した電気設備工事は,同事業団及び業者の談合により不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,県は,談合がなければ形成されたであろう請負代金額との差額分の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えが,当該訴えに係る住民監査請求には同法242条2項の監査請求期間の制限の適用が及ばないとして,適法とされた事例

裁判要旨

県が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が業者に発注した電気設備工事は,同事業団及び業者の談合により不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,県は,談合がなければ形成されたであろう請負代金額との差額分の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えにつき,前記訴えに係る住民監査請求について監査を遂げるためには,監査委員は,前記談合行為があったか否かを検討するとともに,県が前記事業団との間で締結した委託協定の内容,委託費用の支払経過等を明らかにして,県に損害が発生したか否かを検討しなければならないが,前記委託協定の締結や委託費用の支払等の財務会計行為が財務会計法規に違反する違法なものであったとされて初めて県の前記事業団及び業者に対する損害賠償請求権が発生したと認められるものではなく,監査委員は,前記談合行為の存在とそれに基づく前記事業団と前記業者との請負契約の締結が不法行為上違法の評価を受けること,これにより県に損害が発生したことなどを確定すれば足りるのであるから,前記住民監査請求には同法242条2項の監査請求期間の制限の適用が及ばないとして,前記訴えは適法であるとした事例

全文

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