裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成8(行ウ)3
- 事件名
損害賠償代位請求住民訴訟事件
- 裁判年月日
平成14年3月27日
- 裁判所名
さいたま地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
県が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が業者に発注した電気設備工事は,同事業団及び業者の談合により不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,県は,談合がなければ形成されたであろう請負代金額との差額分の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えが,当該訴えに係る住民監査請求には同法242条2項の監査請求期間の制限の適用があり,かつ,監査請求期間を経過したことにつき正当な理由があったとは認められないとして,却下された事例
- 裁判要旨
県が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が業者に発注した電気設備工事は,同事業団及び業者の談合により不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,県は,談合がなければ形成されたであろう請負代金額との差額分の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えにつき,県が前記事業団に対し前記工事の施行に係る費用を支払うのは,県と前記事業団との実施協定があるためであり,当該実施協定に違法又は無効の瑕疵が存しない限り,当該支出によって県に損害が生じたということはできず,前記損害賠償請求の主張の中には,県と前記事業団との間で締結された前記実施協定は違法であるとの主張がその論理的前提として含まれていると解さざるを得ないから,前記訴えに係る住民監査請求には同法242条2項の監査請求期間の制限の適用があるとした上,住民が相当な注意力を持って調査すれば,遅くとも,前記談合につき公正取引委員会が課徴金納付命令を発したとの報道がされた日までには,県の前記下水道施設工事に係る支出負担行為の存在とこれが前記談合によって悪影響を受けてされたものとの疑いを抱くに足りる事実を知ることができたというべきであるから,その日から4か月余りを経過してされた前記住民監査請求には相当な期間内にされたものということはできず,監査請求期間を経過したことにつき正当な理由があったとは認められないとして,前記訴えを却下した事例
- 全文