裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成12(行ウ)3
- 事件名
怠る事実の違法確認請求事件
- 裁判年月日
平成14年3月25日
- 裁判所名
秋田地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 県が体育協会に支出した補助金の分配を受けた同協会の傘下の競技団体が,当該分配を受けた補助金を目的外のことに支出するなどしたことにつき,県が前記協会に対して有する不当利得返還請求権を行使しないことが違法である等としてされた住民監査請求が,地方自治法242条2項所定の監査請求期間を徒過したとされた事例 2 県が体育協会に支出した補助金の分配を受けた同協会の傘下の競技団体が,当該分配を受けた補助金を目的外のことに支出するなどしたことにつき,県が前記協会に対して有する不当利得返還請求権を行使しないことが違法である等として,地方自治法242条2項所定の期間を超えて住民監査請求がされたことにつき,同項ただし書所定の「正当な理由」がないとされた事例
- 裁判要旨
1 県が体育協会に支出した補助金の分配を受けた同協会の傘下の競技団体が,当該分配を受けた補助金を目的外のことに支出するなどしたことにつき,県が前記協会に対して有する不当利得返還請求権を行使しないことが違法である等としてされた住民監査請求につき,実体法上の請求権を発生させた行為,事実等により,その後にされた財務会計上の行為が違法,不当であるとされる場合であって,前記請求権に基づく違法是正等の措置が後の財務会計上の行為の違法是正等の措置と同一視できる場合における監査請求については,後の財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として地方自治法242条2項を適用すべきであると解するのが相当であるとした上,前記補助金の交付は,原則として,補助事業者の申請により,補助事業内容を確認して補助するかどうか及び補助の内容と条件とを決定し,補助事業が完了した後,当該事業が決定内容に適合することを調査した上で補助金額を確定するという手順を経るものであるところ,県財務規則に基づく補助金の額の確定には補助金の交付決定という性格が認められると解されるから,補助金の額の確定は,財務会計上の行為に該当すると認められ,前記監査請求に係る実体法上の請求権は,補助金として交付された金員のうち,目的外のことに使用したこと等により返還されるべき金員の返還請求権であるから,前記監査請求は,前記補助金の交付に係る違法是正等の措置を求めるものと解され,当該措置は,前記補助金に係る額の確定行為に対する違法是正等の措置と同一のものになると解するのが相当であるから,前記監査請求については,前記補助金に係る額の確定のあった日を基準として同項の規定が適用されると解するのが相当であるとして,前記監査請求は,同項所定の監査請求期間を徒過してされたものであるとした事例 2 県が体育協会に支出した補助金の分配を受けた同協会の傘下の競技団体が,当該分配を受けた補助金を目的外のことに支出するなどしたことにつき,県が前記協会に対して有する不当利得返還請求権を行使しないことが違法である等として,地方自治法242条2項所定の期間を超えて住民監査請求がされたことにつき,同監査請求は,前記協会が調査を行い,前記団体の補助金の支出の一部に不適切なものがあったとの結論を出した旨の新聞報道がされた時点から5か月を経過した後になされたものであって,当該財務会計上の行為の違法性,不当性が疑われる事実を知ることができたときから相当な期間内に住民監査請求をしたとは認められないとして,同項所定の期間を超えて前記監査請求がされたことについて,同項ただし書所定の「正当な理由」がないとした事例
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