裁判例結果詳細

事件番号

平成10(行ウ)228

事件名

固定資産評価審査棄却決定取消請求事件

裁判年月日

平成14年3月7日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 固定資産課税台帳に登録された土地の固定資産評価額についての審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の決定の一部の取消しを求める訴えが,不適法とされた事例 2 固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の決定が,全部取り消された事例

裁判要旨

1 固定資産課税台帳に登録された土地の固定資産評価額についての審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の決定の一部の取消しを求める訴えにつき,同決定の適否は,基準年度の賦課期日における当該固定資産の登録価格が適正な時価と合致しているか否かという一個の評価的事実の適否にかかるのであり,一部分のみが誤りで他の部分が正しいということは,事柄の性質上,観念し難いところ,前記訴えは,当該決定を全部取り消した上,登録価格を裁判所が自ら正しいと考える価格に是正するよう命ずることを求めていることになるのであって,純粋の取消訴訟ではなく,取消訴訟と無名抗告訴訟の一種である義務付け訴訟とを不可分一体のものとして結合させたものというべきであるから,無名抗告訴訟の適否と同様,少なくとも行政庁の第一次判断権を留保させる必要がないと考えられる場合に限って許されるべきであり,このことがその要件となるものと解されるところ,当該要件を満たさないものであるとして,前記訴えを不適法とした事例 2 固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の決定につき,前記価格の決定に際しての土地評価の基礎とした標準宅地の選定及び評点数の付設の双方に瑕疵がある上,同委員会は,標準宅地の価格算定の規準とされた基準地価格自体の基礎となった鑑定に疑問が呈された以上,その内容を吟味し,必要に応じて再鑑定をしたり,標準宅地の選定を改めるべき義務があるというべきところ,これを怠ってされた前記決定には重大な審理不尽があるのであって,このような場合には,裁判所が独自に標準宅地を選定し,かつ,その評価を行うことは適切ではなく,むしろ,決定を取り消して同委員会に審理を尽くさせることが相当であるとして,前記決定を全部取り消した事例

全文

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