裁判例結果詳細

事件番号

平成13(行コ)228

事件名

損害賠償請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成12年(行ウ)第62号)

裁判年月日

平成14年2月28日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

魚つき保安林に指定されている森林を所有する者が,保安林指定のためにその使用収益を妨げられて損失を被ったと主張して,国に対してした森林法(平成11年法律第87号による改正前)35条及び憲法29条3項に基づく損失補償請求が,棄却された事例

裁判要旨

魚つき保安林に指定されている森林を所有する者が,保安林指定のためにその使用収益を妨げられて損失を被ったと主張して,国に対してした森林法(平成11年法律第87号による改正前)35条に基づく損失補償請求につき,同条にいう保安林の指定により「通常受けるべき損失」とは,保安林指定に基づき,客観的,社会的にみて,森林所有者等が受けるべきことが認められる,その使用収益権そのものに内在する社会的自然的制約の範囲を超えて特別の犠牲を強いられた結果被る経済的損失のうち,通常生ずべき範囲のものであって,保安林指定と相当因果関係があるものを指すものと解することが相当であるとした上,当該保安林の指定によって,森林における立木の伐採や開墾その他の土地の形質変更が制限されたとしても,その制限は,魚つき保安林の目的である魚介類の棲息,繁殖環境の保全や,周辺海域における漁場環境及び漁場の保護といった,公益上の目的を達成するために必要な範囲内における,一般的な土地の使用収益の制限にとどまるものというべきであって,このことをもって,土地の使用収益権に内在する制約の範囲を超えて,特別の犠牲を強いるものと認めることはできず,同条又は憲法29条3項に基づき損失の補償を請求することはできないとして,前記請求を棄却した事例

全文

全文

ページ上部に戻る