裁判例結果詳細

事件番号

平成13(行ウ)85

事件名

住民票不受理処分取消等請求事件

裁判年月日

平成13年12月17日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 区民事務所長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の返戻行為の行政処分性が認められた事例 2 区長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の不受理処分が違法であるとしてされた前記処分の取消請求が,認容された事例 3 区長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の不受理処分が違法であるとしてされた国家賠償請求が,一部認容された事例

裁判要旨

1 区民事務所長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の返戻行為につき,前記所長は,住民登録に関して法に基づく処分を行う行政庁である区長の方針に基づいて,前記信者に対し,前記方針を説明の上,確定的かつ最終的な判断として,前記転居届の受理を拒否し,これを却下する意思表示をしたものと認めるのが相当であり,当該意思表示がその名宛人に対して告知されたことにより,前記転居届の受理を拒否してこれを却下する旨の行政処分の効力が生じたものというべきであるとして,前記返戻行為の行政処分性を認めた事例 2 区長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の不受理処分が違法であるとしてされた前記処分の取消請求が,区長は,転入届を受理するか否かは転居の事実の有無のみによって決すべきであって,当該区域内におぴて住所を変更した者が住民基本台帳法23条に基づく届出をしたのであれば,その者について住民票を調製する義務を負い,自らの裁量によってこれを拒むことが許されるものではないから,転居の事実が存在するにもかかわらず,前記団体の信者からの転居届を受理しないとの区長の方針に基づいて転居届の受理を拒否することは許されないとして,前記請求を認容した事例 3 区長がした特定の宗教団体の信者から提出された転居届の不受理処分が違法であるとしてされた国家賠償請求につき,前記不受理処分は違法である上,当該転入者は,前記処分により,自らの住所が公証されないことにより,生活の基盤すら危うく感じられる状態になり,また,選挙権を行使できなかったこと,及び国民健康保険被保険者資格を得られなかった点においても,現に重要な権利を侵害され,かつ生活上の不都合が生じたことにより多大な精神的苦痛を被ったとして,前記請求を一部認容した事例

全文

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