裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成8(行ウ)4
- 事件名
損害賠償代位請求住民訴訟事件
- 裁判年月日
平成13年9月19日
- 裁判所名
松江地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 県が下水道事業団に委託した下水道施設工事の一部である電気工事に係る工事請負代金が,前記事業団及び業者らによる受注調整ないし談合により不当に高額となり,県は談合行為等がなければ形成したであろう代金額と現実の代金額との差額相当額の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとしてされた住民監査請求が,監査請求の期間制限を定めた地方自治法242条2項の適用はないとして,適法とされた事例 2 県が下水道事業団に委託した下水道施設工事の一部である電気工事に係る工事請負代金が,前記事業団及び業者らによる受注調整ないし談合により不当に高額となり,県は談合行為等がなければ形成したであろう代金額と現実の代金額との差額相当額の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号後段に基づき,県に代位して怠る事実の相手方である前記事業団及び業者らに対してされた損害賠償請求が,一部認容された事例
- 裁判要旨
1 県が下水道事業団に委託した下水道施設工事の一部である電気工事に係る工事請負代金が,前記事業団及び業者らによる受注調整ないし談合により不当に高額となり,県は談合行為等がなければ形成したであろう代金額と現実の代金額との差額相当額の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとしてされた住民監査請求につき,監査請求人が怠る事実の対象として主張する実体法上の請求権が,監査請求人の具体的な主張の有無にかかわらず,同実体法上の請求権の請求原因事実として,法的に何らかの違法,無効な財務会計行為の存在を観念せざるを得ない場合には,不真正怠る事実の監査請求として,監査請求期間について,その財務会計行為を基準に地方自治法242条2項の期間制限に服すると解するのが相当であるとした上,監査請求人が主張する実体法上の請求権について,県の損害が発生するには,前記委託協定の締結とこれに基づく委託料の支出が不可欠であるものの,前記業者において個別的な談合が行われ,これに基づいて請負契約が締結される前段階においては,県が実質的に負担すべき最終的な数額が明確になっているとは到底いえないから,同法2条14項,地方財政法4条の財務会計上の法規範に違反しているとはいい難く,その段階になされた財務会計行為を違法と評価することはできないから,前記監査請求は,不真正怠る事実に関するものということはできず,地方自治法242条2項の適用はないとして,前記監査請求を適法とした事例 2 県が下水道事業団に委託した下水道施設工事の一部である電気工事に係る工事請負代金が,前記事業団及び業者らによる受注調整ないし談合により不当に高額となり,県は談合行為等がなければ形成したであろう代金額と現実の代金額との差額相当額の損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号後段に基づき,県に代位して怠る事実の相手方である前記事業団及び業者らに対してされた損害賠償請求につき,前記事業団と業者らによる談合が行われ,県に損害が生じた事実は認められるものの,その損害額の算定には,種々の仮定条件を基礎としなければならず,著しい困難を伴うとして民事訴訟法248条を適用し,損害額を前記請負契約における契約金額の5パーセントと認定して,前記請求を一部認容した事例
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